日光を遮断して青水が透明になる過程を調査

実験をする事になったきっかけ

今回はプチ実験です。
良く本などに青水は日光を24時間から48時間遮断すれば透明になると書かれていますが、そうならない事が多いので実際に元気の良い青水を採取し日光を遮断したら何日で透明になるのか調べてみました。

※飛びかけの青水であれば24時間以内でも透明になりますが、最高のコンディションの青水は簡単には透明になりません。それを確認するために何度か実験してみて最長で何日持つかを調べました。
※本記事は、その中で最も長く維持できた時のものです。

実験方法

ベストコンディションの青水を使う

使用した青水は極端に濃いものではなく僕が金魚飼育に最も適していると考えている濃さのものを使用しました。
明るい場所で見た場合は写真のような色です。
これまで何度も青水飼育をしてきた中で濃い緑のものや目視でムラが分かるものは比較的短命になる事が分かっていますが、写真のように均一で明るい色なのにセキディスクが20㎝程度で完全に見えなくなる濃度のものは強いと考えています。

実験の手順

これを仕込んだらすぐに真っ黒の部屋(押入れ)に遮光した箱に入れて置きます。
撮影する瞬間だけ押入れの箱の中から取り出して撮影し、直ぐに元の場所に戻して遮光します。
毎日これを繰り返して水が透明になるまで続けます。

実験

今思えば 1,2,3 ではなく 0,1,2 とするべきでした。
少しややこしいですが 1 は仕込んだ当日を示します。
つまり 
2 が 1日後(24時間後)で
3 が 2日後(48時間後)です。

流石にこの程度では青水はびくともしません。

同様に
6 が 5日後(120時間後)ですが
未だ初日と大きな差はありません。
初日と比べるとほんの少しだけ薄くなったような気がします。
※撮影時の数分以外は真っ暗な押入れの中に入れていてもこのレベルが維持できています。

7 の写真が行方不明です。 
すみません。 見つかり次第追加します。
とは言ってもこの当時物凄く沢山の実験を同時に行っていたのでハードディスクの中がドンキーホーテみたいになっていて探し出すのが大変で見つからないかもしれません。
最近は反省して撮ったら仕分けしたりしてます。

8 が 7日後(168時間後)ですが
この辺から様子が変わってきました。
写真でも分かりますが黄色くなってきました。

9 が 8日後(192時間後)には遂に横から見たら向こう側が見えるレベルまで透き通ってきましたが未だ白い濁りが多いです。
雨上がりの川の水のような濁りがある状態です。

10 から 13 はほぼ同じであと一息で透明というレベルです。
内側を良く見ると青水を通して容器の底が徐々に明確に見えてきています。
具体的には、容器の内側の黒い〇に注目していただくと
10→11→12→13 の順に見えてきています。

実験結果

14 が 13日後(312時間後)ですが
遂に底まで完全に透き通った透明の色水になりました。

この実験には非常にコンディションの良い青水を使用していますので思った以上に長い間維持できました。

またこれまでの経験で天気が回復しても「時すでに遅し」でどんどん透明になるという事がありました。
ある一定のレベルを下がると全てが死に始めるようです。(通常はどんどん死んでいく一方でどんどん増えて、増えるほうが多い事で維持されています)
この例で言えば天気が悪い日が続いても6(5日後)までは大丈夫で、次の日に晴れて直射日光が当たればまた回復すると思いますが、8(7日後)か
9(8日後)くらいの色になるともはや天気が回復しても元には戻らないと思います。

今回は撮影時の数分以外は完全に光を遮断して実験したので青水に対してはタフな条件でしたが、多少でも日光があるような環境ならこれよりも少しは条件が良くなり長く維持できると思います。

また、ご覧のように光を遮断して透明にした場合は青水を構成する単細胞藻が消えてしまいますので沈殿すらせずにほとんど何も残りません。
このことから沈殿餌を作るときは完全な日光遮断はしないほうが良いと思います。

これ以外にも青水の実験は条件を変えて色々行っていますが、これよりも前に少し大きな容器に入れて玄関の暗い場所(少しだけ光アリ)に置いておくと茶色い沈殿物が出来たことはありました。 実験としては大失敗で、沈殿物は腐敗臭こそ無かったですが見た目から危険な匂いがプンプンしてたので金魚には与えず捨てました。

また実験ではありませんが、直射日光なし、金魚無しで少し明るい程度の場所に置いていた青水が1か月以上飛ばずに維持できるという事もありました。金魚の餌としてスネールを増やしている水槽です。(青水の餌となる排泄物を出す金魚を入れるとスネールを食べてしまうので、金魚の代わりに週に数回は飼育水を足していました。当時の目的は中身を腐敗させないように撹拌する事でしたが、今思えばその為に足していた飼育水のおかげで青水が維持できていたのではと思います。)

今回は日光だけに着眼した実験ですが、青水を構成する単細胞藻は基本的に金魚が作り出す排泄物やその変化したものを餌にして増え、日光で光合成するという2つのプロセスで健全に維持できるものですので、どちらかが欠落するといずれは透明になります。

つまり日光が当たっていても金魚が居なければ餌が無くなるので青水を作る単細胞藻は増えません。自然界のように規模が大きいとか他に餌となる腐食物があれば別ですが自家産の場合は餌の供給が必要です。よって時々古い飼育水を足すようにしていれば維持できますが、長期的にはそれでは不安定になりやすいので金魚を入れておくのが一番だと思います。

日光は直射日光が平均的に毎日数時間当たるというのが理想ですが、この実験でも示されているように元気な青水ならしばらく天気が悪い日が続いても大丈夫です。

青水は扱いに慣れるまでその濃さを維持するのも、逆に透明に戻すのも簡単ではなく非常に扱いにくいですが、何度もトライしてその特性を理解すれば徐々に使えるようになります。とは言っても、室内飼育の場合、日光だけは自分でどうにもできないので天候不順が長引くと飛ばしてしまう事がありますが、その時は諦めてまた来年の秋に作って再スタートという感じで繰り返しています。 

お住いの環境により条件が大きく異なるのでまずはご自身の環境でどんな感じなのかを知る為に作ってみたり、逆に透明にしようとしてみたりしていると扱い方が徐々に見えてくると思います。 金魚飼育では最高の餌でもありますし他にもメリットが多くあるので、より多くの方々に経験頂ければと思います。