第3位 インフゾリア
インフゾリアはミジンコよりも遥かに小さいのでふ化直後の稚魚でも食べられます。
ブラインを沸かすのが面倒な方の強い味方として
とりあえず増やして稚魚水槽に入れておけば孵化直後からしばらくは稚魚の餌になります。
ただし餌としては小さすぎるので、少し大きくなった稚魚には物足りないようです。
あくまで初期の初期をサポートする餌としてご利用ください。
またこれは食物連鎖の最底辺に位置する1つですので、
これが増える事で他の餌になる生物が増えるのに役立ちます。
特に金魚の稚魚飼育ではミジンコの餌として有効で、
僕の使用用途は専らミジンコの餌です。
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こちらはインフゾリアがわらわらと泳いでいる映像です。
ミジンコとはまた違った ワラワラ感と言うか
大量の酔っぱらいのおじさんがスクランブル交差点を渡っている姿を上空からヘリで空撮したような動きが素敵ですね。
これはこのワラワラした動きを見ていただく為にこの部分だけを撮影しています。
実際のサイズ感は ▼以下のビデオでご覧ください。
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こちらはインフゾリアと稚魚を撮影したものです。
こうすると分かりますが小さな稚魚と比べてもこれだけの大小差があります。
拡大していますので大きな魚に見えるかもしれませんが
この稚魚はミジンコが何とか食べられる程度で冷凍赤虫は未だしばらく無理という頃です。
インフゾリアを餌にするには既に稚魚が大きくなりすぎて、餌として認識していないようであまり口に入っていませんw
皆様の環境に合わせて自動で選ばれた解像度で再生されます。
その場合、インフゾリアが殆ど見えない場合がありますが、
ビデオの右下に出る(歯車のアイコン)設定>画質>720pを選んで頂くと
動いているインフゾリア軍団が見えると思います。
第2位 青水 又は 苔
ラクラク稚魚飼育では必ず入れて頂きたい最重要の餌が青水または苔です。
※青水が無理なら苔をしっかりと付けた容器で飼育してください。
青水や苔は大きな金魚を餓死させないだけの栄養を含みますので稚魚には最適の餌と言えます。
沈殿させたり濃縮させたものを作ると更に効率よく金魚に与える事が出来ますが、普通に青水にしておくだけでとりあえず稚魚が餓死しません。
実際にはそのものだけではなく周りに大量のプランクトンが発生しているので稚魚の初期を安定サポートしてくれます。
これまで苦労してブライン飼育で稚魚を餓死させないように頑張ってこられた方からすれば「これで1か月放置して死なないの?」って思われるかもしれませんが死にません。ただしブラインの時ほど大量に稚魚を容器に入れる事は出来ません。
ここまでに判明しているルールとしては
「5L容器に5匹、10L容器に10匹は餓死させることなく1か月以上放置で維持できる」です。
でも今年からは
「10L容器に5匹」に変更しました。
更により良い金魚にしたい場合は
5L容器に1匹~3匹
10L容器にも1匹~3匹
です。
詳しくは 以下の記事の真ん中くらいに
赤い背景に赤文字で「許容できる稚魚の数」という項目に記載しています。
苔も今年の稚魚飼育で、苔のみで綿棒の先っぽくらいまで稚魚を育てる事が可能と分かりました。
(現在も継続中ですが、そろそろ人工餌か何か与えようと思います。)
これらもインフゾリア同様食物連鎖の最底辺に位置しますので、
水中の生物バランスを良好に維持する重要な要素となります。
稚魚飼育の初期は、このどちらかがあれば稚魚は餓死しません。
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まとめて食べさせたい場合はこのように三角定規やクレカで大きくそぎ落として剥がすと良いです。
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苔は写真のように切れ込みを入れておくと時間の経過と共に剥がれやすくなります。
そうすると稚魚の力でも剥がせます。
時間が経つと所々剥がれて来て同時に新しい苔が生えてくるので迷彩模様のようになります。
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それを食べている金魚(写真はビューラーちゃん)は濃い緑色の長い糞を出します。
第1位 ミジンコ
ミジンコは孵化直後の稚魚には食べられませんが、比較的大きなサイズに育った稚魚でも餌として利用できます。
他のプランクトンよりもサイズ的に大きくて効率よく食べられるうえに金魚が好んで食べる天然餌です。
少し育ったら比較的口の小さな稚魚でも食べられるので初期の増体にはとても効率が良い餌です。大量にストックできれば冷凍アカムシを与えるまでの期間を短縮できます。
インフゾリアや青水を主食とするのでは効率が良くないと言える大きさまで育った稚魚にはやはりミジンコが必要ですし、これが不足すると成長が遅れるという事もありました。
ミジンコは自分で増やすのに場所が必要で、小さな規模では少量しか増やせないのが難点です。せめて60Lのプラ舟1つ分くらいの場所が無いと10匹程度の稚魚の分すら賄えません。金魚が居るとそいつが食べてしまいますので金魚無しのスペースで増やす必要があります。
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こちらでは
未だミジンコを食べ始めでハンターとして未熟な稚魚がミジンコを食べるつもりで(ミジンコと間違って)ゴミにアタックし、その間に本物のミジンコは全て逃げてしまうという寸劇をお送りしています。ばつが悪そうにして去っていく姿に哀愁を感じずにはいられません。
面白いのは、この時期の稚魚は未だ金魚独特の「水を吸い込むことで餌を吸い込む」という餌の捕獲方法が使えないので全身で餌にアタックしてかぶりついている点です。 もう少し成長すると徐々に金魚らしい捕獲方法になります。
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こちらはケンミジンコを中心にした大移動の様子です。
よく見るとケンミジンコの赤ちゃんもビュンビュン泳いでいます。
大人のケンさん程は距離が進めないようですが高速移動できるようです。
生物界最速の単位スケールスピードをもつケンミジンコですが
空気中でも凄いと思うような瞬間移動を、粘性抵抗が数十倍から数百倍(温度など諸条件により違う)の水中で実現しているのが恐ろしいです。
※このビデオは水中を撮影したものです。 空気中ではありません。
どんな仕組みでこれだけの推進力が生まれるのか分かりませんが凄いです。
速すぎてカメラで完全には捉えきれていないものも居ます。
なにかの残像のように黒い線が所々に見えますでしょうか。
でもよく見ると速すぎて避けきれないのか、
結構ぶつかったり、引かれたりしてます。
他にも友情出演でアカムシやカイミジンコが出てますが
カイミジンコは相変わらず壊れたお掃除ロボのようにあちこちにぶつかりながら進んでいきます。
ある意味たくましい生き物です。
ちなみに画面中央で交通整理をしているのが自家産のアカムシです。
最後に
ここに紹介した3つの餌以外にも皆様の環境で採取できる餌などを組み合わせてより強固な環境作りの参考になれば幸いです。
環境の中で自然に増える生きた餌を使うからこそ1か月もの間放置しておけます。 死んだ餌なら水を汚すので水を換えたり餌を追加したりする必要があります。
また自然に増える餌だから足さなくても稚魚が餓死する事がありません。 ただし上記のように1つではなく複数以上の餌で幾重にも食物連鎖を構築しておくことが大切です。 稚魚が本気でハントし始めるとミジンコは直ぐに居なくなります。 ミジンコに関しては稚魚水槽内での自然発生では少なすぎますのでもっと大きな場所で育てるか、別の場所から採取してくるかしないと餌と呼べる量を供給するのが難しいのが難点です。
このようにミジンコなどは急に居なくなりますがベースに青水や苔を張り巡らせておけば安心安全なラクラク稚魚飼育をサポートしてくれます。
難しそうに思われるかもしれませんが、一度その仕組みを理解して環境を構築できさえすれば、あとは普通の飼育法よりも遥かに安全で簡単ですし、何より手間いらずです。
人間がコントロールする部分が非常に少ないからこそ(ミスを犯す余地が少ないので)初心者の方でも安心して行えます。
関連 後期の餌に興味のある方はこちらをご覧ください。
初めまして~
どんな記事も詳しくて、参考にさせていただいています~
特にラクラク稚魚飼育の記事・・・確か金魚部の方でソレを発見してマネしてみたのが始まりでした~今、3回目の子を育てています。私の場合は ”放置” と言っておりますが;;; 毎年少しずつ数もupしています(^^
お聞きしたいことはたくさんあるのですが、多忙と言う事なので控えます・・・
また当方のサイトで以前から金魚部の方へリンクさせていただいておりました・・・ 後報告で申し訳ありませんか゛ご了解いただければと存じます;;;
azzaroさん はじめまして。
コメントありがとうございます。
>放置
まさに放置ですよね。
数は少ないほど良い結果になるので、今年はその確認も兼ねておひとり様コンテナを作りましたが、現時点で5か所に増えました。
1匹だけだと色々とコントロールがしやすいのでお勧めです。
>飼育相談
金魚部でやっていたような細かなデータをお送りいただいて、それを元に解決策を模索するのは現在対応できないですが、記事に関連する事や一般論であればお答えできる範囲でお答えいたします。
個々のケースに関してのご相談はどうしても詳細なデータを頂かないと可能性があり過ぎて何種類ものパターンを想定して書かないといけなくなるので、具体性が増せば増すほど、それに関連する詳細なデータが必要になりますし、落ち着いて考える為には まとまった時間が必要なので現在はお休みさせていただいています。
金魚部のリンクありがとうございます。
僕のほうも金魚部からリンクさせていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。
リンクありがとうございます♪ コチラこそよろしくお願いいたします〜(^^)
(・ー・)/ こちらこそ。