【ケーススタディ】瀕死の金魚の尾腐れ病&赤班病治療例 前編

水質悪化などにより短期間で生きるか死ぬかという重症になった場合の治療方法をご紹介します。(1日から1週間くらいの比較的短い期間で急激に問題化した場合の対処法です。 慢性の疾患により長期的にストレスを受け体力がなくなり死にかけている場合はこの方法では救えません。)
昔は(急性であれ)ここまでくると救う事が出来ませんでしたが、治療方法を徐々に改良して現在では生存率をかなり高くできるようになりました。 ただし生きるか死ぬかは金魚に残された体力と大きな関係があるので、ここではその残された体力を奪わないように配慮する方法と、残された体力を最大限に活用して生還させる方法について書きます。

本例での問題発生の流れ

まず最初に本例の問題発生の流れを簡単にご説明します。
DAY1
これは4月に入った頃に青文魚が入っている黒い60Lプラ舟の中で24時間以内で発生しました。24時間前までは尾腐れも赤班病も、粘膜剥離すらありませんでしたので発見時(次の日の朝)は信じられないというか凄く驚きました。
過去には経験したことが無いほど急激な水質悪化で金魚への被害もかなり大きなものとなりました。

問題発生後中を調べたら数にして合計10粒程、期間としては最大でも3日分の吐き出したと思われる餌が底に存在してました。 通常なら異変が起きたら水槽や濾材を確認しますが今回は問題が出た時には瀕死の金魚までいる程酷く「気づいてから対応」では間に合わない状態でした。

ここ最近は過密飼育もせず全体的に餌も少なくして飼育する事を重視して飼育しているので、もはやここまでの尾腐れ病や赤班病は経験する事は無いだろうと思ってましたが、ちょっとした油断で思いのほか短期間で悪化してしまいました。

原因として考えられることですが、今まで同じメンバーで数か月間はSSSサイズを与えて食べてましたが、これを3日前からSS粒に切り替え、粒が大きくなった事で食べ残しが出たのが原因と思います。 餌はSSもSSSもランチュウベビーゴールドで、量もおなじくらいになるよう調整していたので粒の大きさが問題の原因と思われます。

具体的には、大人の青文魚以外に当歳魚が居るのですがまだ小さいので口に入れられるけど噛み砕けないのかな?と思います。 3㎝前後の当歳魚の1匹か2匹がかなり時間が経過してから吐き出し既に匂いも無く他の金魚も食べなかった・・・みたいな事ではないかと予測します。 通常なら吐き出しても大きな金魚が食べてしまうのにそれが起きず餌がそこに残ったまま今回の問題が起きたようです。この件は落ち着いたら小さな金魚数匹で確認しようと思います。

まさかこんなことで食べ残しが出るとは・・・・少量しか与えてないから食べ残しは出ないと甘く考えていましたが、少量でも食べ残しが出るパターンがあるなんて・・・と完全に油断してました。

水槽に残された状況から原因は餌の食べ残しによる水質悪化だと断定できたので(その発生メカニズムは少し不明な点がありますが、同じように切り替えた他の水槽では問題が一切出てないので)現在は治療に専念し回復後このチームは小さな餌に戻して様子を見ます。

水の富栄養化からの劣化

餌の食べ残しが出る水が急激に富栄養化する水が腐る雑菌が爆増する酸素が急激に減る金魚が弱る金魚が感染症にまける
が起きたと考え、それぞれの金魚はコンディションにあわせて個別に治療するとともに、(水質が悪すぎてこのままでは短期間に水を正常化できないので)一度全ての金魚を出してからタンクを綺麗に洗い、濾材も綺麗に洗い、水を全て入れ替える事にしました。

綺麗な飼育水を他の水槽からもらって50%、カルキ抜きした新水を50%で混ぜて作り直しました。 僕の場合は他の水槽があるのでそこから水も濾材も調達できますが、水槽が1つしか無くそこに問題が出た場合はバクテリアの回復に時間がかかるので、金魚の治療と並行して水槽の立ち上げ直しも早めに行っておくほうが良いです。

瀕死の金魚の治療前の対応

観察と治療の判断

そうした事がきっかけで次の日の朝8時には数匹が水面に浮いている状態で他の金魚も皆動きが悪く底で苦しそうにしてました。 昨日の夕方まで元気に餌を奪い合っていたのにほとんどが底で動けないか水面に浮いていたので本当に驚きました。

厳密には24時間どころか15時間くらいで粘膜が剥がれ落ち尾がボロボロになった事になります。 驚くべき早さです。 参考までに当時の日中の水温は18℃でした。

こんな感じの事が起きたので、まずは全ての金魚をバケツに掬い出して観察しました。

注意 この時、最初は汚い飼育水のままで金魚を掬い取り、一切水を入れ替えてはいけません。

瀕死の金魚は勿論、元気そうに見える金魚も酸欠や亜硝酸塩中毒のスイッチが入っている場合は急に水質が変わるだけで死ぬことがあります。
水を替える前に必ず金魚の状態を観察水質検査で水がどのような状態か判断しないといけません。
検査で安全確認できたらその結果と金魚のコンディションにあわせて対応します。

水質検査の結果
項目 問題発生時の水質
アンモニア 0.25mg/L
亜硝酸塩 0
硝酸塩 100mg/L
pH 5.5
propN値 0.37

これならアンモニア中毒や亜硝酸塩中毒の可能性は無いと判断できます。しかし雑菌の爆増が起きたと考えられるので弱っている金魚に関しては酸欠気味になっている可能性は残るので安全側の判断で水質を急に替える事は出来ないと考えました。

これらの結果から全員を重症として扱う必要はないと判断し、2つのグループに分ける事に決めました。

グループ1 軽症で比較的元気がある金魚
●小さい当歳魚が4匹 <何もせず水槽清掃後軽く水合わせだけして戻す>

グループ2 死にかけている金魚&重症の金魚
●大きな青文魚が3匹(死ぬかもしれないレベルを含む)<時間をかけて水質改善>
●小さい当歳魚が2匹(重症と瀕死の間)<時間をかけて水質改善>
●小さな青文魚が1匹(重症)<時間をかけて水質改善>

ここに出てくる小さな当歳魚とは水草水槽で知らない間に育ってた青文魚です。
なので、どれもまだ体が小さいです(体長2㎝から3cmクラス)。

まずは慎重に時間をかけて水を替える必要があります。
現在は問題が出た水槽の飼育水のままです。
これを綺麗な水または塩水に替えないといけませんがここまで弱ると水質の急変でショック状態になりダメージが大きいと24時間以内に死にます
水を替えてから徐々に動きが悪くなり次の日に死んでしまうのはそれが原因です。
元気な金魚なら軽く乗り越えますが瀕死の場合は慎重かつ時間をかけて水を替える必要があります。

一番最初の水質改善の手順

ここでは、大きなバケツか水槽を使い、徐々に水を加える事で薄めていくという方法で対応します。 水を加える時に金魚を弱らせないようにジョウロでシャワーのように入れるか、LVポンプでゆっくり流し込むかしてください。 直接バケツから勢いよく入れるのはNGです。

金魚が多い場合は何か所かに分けて行う必要があります。
今回は3つのバケツで同時進行しましたが
ここでは最も大きな3匹を20Lバケツで処置する例に関して書きます。

1

今回は20Lバケツに金魚3匹と4Lだけ汚い飼育水をそのまま入れて1Lだけカルキ抜きした新水を混ぜました。
合計5Lなので20%だけ新しい状態です。
これで1時間様子を見ます。
※急性の問題なので早く綺麗な水にしてやりたいので1時間に決めましたが2時間3時間とるほうがショックは少ないですし、本当は1時間に10%というのが安全と言われる教科書通りのペースです。後に登場する本例の動画より弱っている場合はもう少しペースを落としてください。

※塩は未だ入れてません。
※温度は混ぜる前に金魚が居た飼育水に確実に合わせます。

 1時間後

2

少なくとも1時間以上経過してから、
大きく悪化してきていないのを確認して、
更に2Lのカルキ抜きした新水を混ぜます。
このまま1時間待ちます。
現在合計で7Lなので約43%新しい水が入った事になります。
※時間に余裕があれば2Lではなく1Lのほうが安全です。
※不安がある場合や悪化している場合は水を混ぜずに更に1時間以上待ちます。

 1時間後

3

同じように1時間以上経過後、
金魚を観察し問題なければ
更に3Lのカルキ抜きした新水を混ぜます。
現在合計で10Lなので60%新しい水が入った事になります。
これで半分以上新しい水になったのでしばらく金魚の様子を見ます。

※今回はアンモニアや亜硝酸塩が過剰に出てないので半分以上替えればよいと判断しましたが、アンモニアや亜硝酸塩が高濃度の場合は計算してそれが安全濃度に薄まるまで時間をかけて行ってください。

今回はこのように徐々に水量を増やしながら元の飼育水を薄める方法を採用しました。
点滴とか、オーバーフローとか、色々試しましたが僕にはこの方式があっているようで、毎回期待通りの結果を得られています。

スタート時の水量が少なすぎるとアンモニアが心配なので体格に合わせて決めてください。

今回は少し早めに水質改善する流れでしたが
金魚が全く動かないほどまで弱ってる場合は更に時間をあけて変化させて下さい。
※エラ蓋すら全く動かない時は「1時間に10%まで」を守るほうが安全です。
ただしそこまでダメージが大きいと救えない事が多いです。

◆弱っている金魚ほど
◆小さな金魚ほど
 より少量の水替え
 より長く時間をかけて慣れさせる事
が必要です。

塩水に変更する前の注意点

これで水質改善の第一段階は完了として、ここから塩を加えて塩水にしていきます。
淡水から塩水に切り替わるので浸透圧の調整に体力が奪われます。
だからここからは急がず金魚をよく観察してその体力に合わせて濃度を上げてください。
ここで無理をすれば死にます。

一旦真水にして塩水にするのはやり方が悪いと逆に金魚を死なせますのであまり経験が無い方や急いでいる方など手順通り十分に時間をかけて行えない場合は
飼育水  真水  塩水 ではなく
飼育水  塩水 にして1つ1つの変化を小さくしたり1つ1つの段階で十分に時間を確保するほうがミスは減ります。

いずれの場合も塩を入れるところからは可能な限り時間をかけて確実に行います。

※ただし、これは死にかけている金魚への対応です。軽症の金魚はここまでしなくて良いです。

塩水に変更する前の状態の確認

まずは金魚を観察します。
以下のような問題が出ていれば瀕死の重傷なので塩水に切り替える時により長く時間をかけてください。

瀕死の金魚の例

トップの写真のように見た目がひどく尾はボロボロで赤班病が体中に出てブラッドストリークまで出ていますが、最も怖いのは呼吸が速い事や不規則な事です。

まずは最も重症な2匹の呼吸をご覧ください。

更に恐ろしいのが以下のようなしゃっくり風の呼吸の乱れです。
▲上の動画でも7秒付近で起きますが呼吸とは別に「ヒクッ」てなります。

▼下の動画の頭が赤い個体にご注目ください。
※動画は2秒しかないので再生すると直ぐに「しゃっくり」します。

分かりやすいようにしゃっくりと書いてますが心臓の動きがおかしいのではないかと思います。
昔はこれが出たら殆ど救えませんでした。
これが出る個体は相当弱ってると思います。
なので負担(ストレス)を掛けないように対応する必要があります。

エラ蓋の動き

上のビデオのように
◆呼吸が速いもの
◆呼吸が弱いもの
◆呼吸が不規則なもの(しゃっくり含む)
など内部に問題を抱えている場合呼吸が正常時とは別のモノになります。
健康な金魚はエラ蓋がそんなにパカパカ動きません。
※口をパクパクしている場合は連動しますがこれは無視してください。
あくまでしんどそうにしている金魚のエラ蓋がどう動くかを見てください。健康な時は該当しません。

体の制御

◆水面に浮いたまま
◆底に沈んだまま
◆頭が下がったままか上がったまま(前後バランス)
◆横に向いたまま(左右バランス)

重症であれば脳がやられていて体が正しく制御できないみたいな事も起きます。これは転覆病や沈没病と呼ばれますが、この場合は一時的なものなのでこの記事に書く対応を1つ1つ守っていただければ元に戻ります。

見た目

◆白点虫が全身を覆っている
◆全身が尾腐れでヒレが無くなり骨だけになっている
◆いたるところの粘膜がはがれている
◆白い塊が出来てきている
◆大きな赤班が体じゅうに出ている

このような場合も安全側の判断で時間をかけて慣れさせてください。

以下は今回の被害に遭った金魚の中の3匹を水質改善後に経過観察中の動画です。

・真っ白で太めのショートテールは水質改善だけで明らかに元気になりました。
・白で背中に赤い模様がある個体はあまり動きませんが体勢は正常に維持できています。
・最後に頭が赤い個体は体勢すらまともに制御できずこの段階では横になり浮いたままでした。

これを見てショートテールは塩水浴無しに戻すことに決め、残りの2匹を塩水浴に移行させることにしました。

更にあと3匹重症で特に死にかけてるのが居ます
特に心配なのが小さな2匹です。
死にかけている青文魚
▲ 発見直後は粘膜がはがれ浮いたまま力なくパクパクしていて自分の口の動きのせいで徐々にバックしていくという感じです。
更に怖いのが青文魚なのに明るい場所でも黒いままだという事。
保護色をコントロールできないのか目が見えなくなってるのか分かりませんが、通常の色に戻れないようです。

重症化した赤班病
▲ こちらも見た目はボロボロで体じゅうに赤班が出ています。

▲ 水質改善で徐々に改善してましたがこのまま戻すわけにはいかないので塩水浴に移行する事に決めました。

▼ これは(後に)塩水浴で少し綺麗になった時に撮影したものですが、付着物が取れるだけでなくヒレの一部(壊れていた細胞)も綺麗に溶けてなくなりました。塩水浴をするとこのように壊れた細胞は溶けたり体から脱落するので一旦骨だけになる事もありますが患部が拡大しないので回復は早くなります。

ダメージがある金魚

塩水に変更する手順

方法は上記の水質改善と同じです。

1

現在金魚が居る20Lバケツ1の水を減らして2Lにします。
現在は上のビデオで死にかけている2匹が入っています。

2

別のバケツ2に0.5%の塩水を8L作って温度を合わせておき、この後時間と共にこれを少しずつ金魚の居るバケツ1に入れていきます。

3

バケツ1(現在2Lの水が入っている)にバケツ2から1Lの0.5%塩水を入れます。
この時点で合計3Lで0.17%の塩水になります。
このまま2時間経過させます。

 2時間後

4

バケツ1(現在3Lの水が入っている)にバケツ2から1Lの0.5%塩水を入れます。
この時点で合計4Lで0.25%の塩水になります。
このまま2時間経過させます。

 2時間後

5

バケツ1(現在4Lの水が入っている)にバケツ2から2Lの0.5%塩水を入れます。
この時点で合計6Lで0.33%の塩水になります。
このまま2時間経過させます。

 2時間後

6

バケツ1(現在6Lの水が入っている)にバケツ2から4Lの0.5%塩水を入れます。
この時点で合計10Lで0.4%の塩水になります。
このまま2時間経過させます。

 2時間後

7

既に0.4%まで上がっているので0.5%の塩水に入れ替えても大丈夫と判断し、新しく用意した0.5%塩水をいれたバケツに各金魚を移動します。
小さな金魚は1つのバケツに数匹入れて大丈夫ですが
中くらいなら8Lに付き1匹
大きな金魚は20Lバケツなどを利用して14Lでも18Lでも必要な量の水量で塩水浴を行います。
少し多めが安心です。

お気づきでしょうか?常に加えているのは0.5%の塩水です。
これによりゆっくり溶ける塩で起きてしまう局部的に濃度が高くなり金魚が死んだり気を失ったりする問題が起きません。点滴でも高濃度塩水を落とすと条件次第では同じ問題が出ますが常に0.5%で加えている限り最大でも0.5%なので金魚が死んだり気を失うような事にはなりません。
またこの方法なら1回だけ0.5%塩水を作り、あとは加えるだけなので濃度の計算ミスも起きにくいですし、 最初は少なく後半は多めに入れる原則さえ守っていれば大きな問題の多くは回避できると思います。
過去に色々考えて試してきましたがこの方法が
より安全で、簡単で、初心者向きだと思います。

実は重要なのはここまでです。
ここまでの対応が無理なく時間をかけてできていれば金魚は次の日も生きていると思います。この事に気づくまで相当の時間がかかり多くの金魚を救えずに死なせてきました。

ここまでの工程は文章で書くと簡単そうですが実際には長時間かかる作業なので大変です。特に目の前の金魚が心配で色々焦って行動しがちですが、焦るとほぼ死なせてしまうので確実に対応してあげてください。

※当然この日(1日目)は餌を与えません。

次回の記事(後編)では2日目以降の実際の治療の流れと金魚の回復の様子を見ていただきます。
後編へは ↓こちら↓ からどうぞ

【ケーススタディ】瀕死の金魚の尾腐れ病&赤班病治療例 後編

2件のコメント

  1. 更新ありがとうございます!

    昨年夏から金魚にどっぷりハマった初心者です。

    昨年12月に、白点病がコスチュームのようなホームセンターから数匹の金魚を生還させることが出来たのはkingyobuさんの微に入り細に入るブログのおかげです。
    隔離も4ヶ月目に入りましたのでいよいよ本水槽に移動させ、空いた小水槽でまた数匹を救出しようと思った矢先の更新が、これまた「頑張れ」と啓示されたかのような内容で(笑)。
    早速、この週末から頑張ります!
    塩も5kg紙袋を買いましたし。

    ところで私の0.5%塩水への移行は、約12時間で+0.1%にしています。
    夕方に0.1%塩水にドボンし、翌朝に別バケツに準備しておいた0.2%塩水にドボン、同日夕方に…を繰り返し、約3日かけています。
    それ以外はkingyobuさんご掲載の注意点を準拠しています。
    慎重すぎでしょうか?
    もちろんkingyobuさんの方法が最も金魚の負担と移行時間とコストとノーミスのバランスが良いと思います。
    平日9時5時労働&子育てでも塩水移行できる方法としての苦肉の策ですー。

    注意点や良くない点のお気づきがありましたら教えていただけると嬉しいです!

    • もん☆初心者さん こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      12時間ごとで3日間は凄いですね。
      金魚に体力がある限りそれくらいの時間をかけるのも良いと思いますが、
      この記事でご紹介してますように瀕死の場合は(残された体力にもよりますが)発見からの24時間で峠を超えるか死んでしまうかが分かれやすいので、ある程度は急がなくてはいけません。

      とは言え急に水を替えればその瞬間死ぬこともあるので安全といえるペースを決めないといけませんが、教科書通りの1時間に10%というのが思いのほか大変な上に
      10時間後も最大で66%しか水が入れ替わらないので高濃度のアンモニアや亜硝酸塩だと間に合わない事もあります。
      そんな中、瀕死の金魚を発見した時に急過ぎず遅すぎない安全な水替えとしてこの記事に書いているようなペースを基準にするようになりました。
      ※あくまで記事のビデオに示す程度の活動レベルの時です。もっと弱っている場合はもっと時間が必要です。

      今回は久しぶりの治療で塩水も5x8で40gだな・・・みたいに頭で考えながらやる程忘れてましたが、これまで試行錯誤を繰り返し変更を加えながら何度もこのように行ってきたこともあり、今回は今までより少し早めの切り替えやペースを採用してみました。
      でも結果から判断すると、この点に関しては少しギリギリでした。詳しくは次の記事に出てきますがもう少し安全側で判断したほうが確実かなと思います。

      あと、今回のような場合は塩水浴に頼る事になりますが、軽症の場合などに塩水浴は最終手段として出来る限り行わない方向でご検討ください。
      あまり頻繁に行うと淡水魚としての能力が失われたり、大事な時に効果的に作用しなかったりしますし、長期化させると塩水特有の病気が出るという怖さもあります。
      現在僕が飼育している金魚の半数以上は塩水浴未経験です。
      今回の記事の様な事態の時に塩水浴が効果的に作用するようにと思って避けられないレベルにならない限りは実施してません。
      これも判断は難しいですが見た目よりも金魚の元気さや慢性・急性などで判断するとうまく行くと思います。

      このブログに書いている事はかなり安全側の判断が入っていますが、記事ではなくコメント欄の飼育相談などの内容はその方の環境に合わせて書いてますので他の方に書いたものはそのまま真似ないようにご注意ください。
      何例か見ていただくと分かると思いますが条件次第で内容を変えています。

      また安全側で書いてるものすべてを忠実に再現していただく必要はありません。
      ブリーダーさん達のように金魚飼育の為に職を変え、田舎に引っ越し、朝から晩まで暇があれば金魚の世話をしておられる方々は思う存分やりたい事をできると思いますが、僕たちの場合は仕事を引退でもしない限り、金魚に使える時間はどうしても限られてしまうのでその中で無理なく安全に金魚を維持できるように試行錯誤しなくてはなりません。
      どうしても忙しい時期や金魚から遠ざからなくてはいけない事(出張や旅行)もあるでしょうし、もん☆初心者さんはお勤めされていてお子さんも居られるという事ですので、最初のうちに時間的な制限をクリアできるような余裕のある金魚の世話の仕方を見つけていただいたほうが安心かと思います。
      金魚熱が高い最初の間は多少の無理も出来ますがこの先の人生で現在のペースを維持していけるかどうかも含め無理のない世話の仕方で対応してあげてください。厳しすぎる飼育方法は続きにくいですし、崩れる時には大きく崩れてしまいます。
      そんな感じで、この先も末永く金魚飼育を楽しんでいただけるよう願っています。

Comments are closed.