新しい餌をレポートします。キョーリンのミニペット沈下性です。
これまで試してきた餌の多くはブログに名前を出す前にゴミ箱行になっていて結局ブログでご紹介できるのは明確な特徴・・・つまり誰もが見て分かるような特徴を持つ餌に限られますし、中でも使ってみて良い結果が出たものでないと(書く側としては)記事にしにくいです。 更に今の時代はステマも多いですし本当のところ何が良いのかは結局自分で試してみるしかないですが、この餌は一袋目から分かる違いがあり、与えてみて満足できる結果が出たと言えますので記事にする事にしました。
2017年の秋からの使用なのでまだ半年程度ですがここまでの感想や分かった事をご紹介します。
ミニペット沈下性を与えてみた印象など
高齢の金魚にぴったりの餌
もともと高齢の金魚は代謝も落ちるのであまり高たんぱくの餌を与え続けると問題が出やすいという事から高齢の金魚に与える為の低たんぱく餌を探している中で見つけた餌です。
これまでに試してきた植物性原料のみの餌などは殆ど食いつかない金魚も居て低たんぱく餌は食いつきが悪いという印象をもっていましたが、この餌は違いました。 試しに高齢の金魚以外も含め色々な金魚に与えてみましたが全般的に好評で老いも若きも皆食いつきます。
サイズに関して
またこの餌の名前である「ミニペット」と言うのはコイを基準に付けられている名前のようで金魚でいえば大きな金魚を示すようです。(コイよりもミニと言う意味ではないでしょうか。知らんけど。)ですので、大きな金魚を対象にしているので餌のサイズはかなり大きいです。
1mm方眼でお分かりいただけると思いますが、4mm径くらいあります。小粒 に区分されてますが、らんちゅベビーゴールドのS(小粒)とは別の次元の小粒になります(コイの餌の中では小粒と言う意味だと思います。) ですので小さな金魚や稚魚にえるには大きすぎますので、同じシリーズの浮上性を使っていた時から僕は(勝手に)中粒と呼んでいます。
僕の飼育しているメンバーで言えば体長4cm以上の金魚で何とか口に入れられるというサイズで、小さな稚魚は食べられません。
メーカーは体長が10cm以上の魚に与える事を推奨しておられるサイズの餌ですのでご注意ください。
また(丸手の)体長4cmの金魚の場合、口には入れられますが食べられない個体も居るので、与える場合は最初に食べきれるかよく確認したほうが安心です。 別の記事にも書きましたが数時間モグモグして噛み切れずに吐き出すという事もあるのでご注意ください。
大きな金魚でも1粒を食べきるのに5分くらいかかっているのもちらほらで久しぶりに金魚が真剣な顔で餌をモグモグするのを見ました。
最近はSSやSSSばかりだったのでこのモグモグ顔は殆ど見ませんでしたので懐かしいです。
(下の写真は昔撮影したデカブツのモグモグ顔です。モグモグ中はこんな風に口が少し変な感じになります。)
また沈下性と書かれている割に餌が凄く軽いので「大丈夫かな」と思いましたがまあまあ沈下していきます。時々浮いたままのもあります。
保証成分:タンパク質27%以上という低さ
タンパク質27%以上と言う数字はあまり見ない低さです。32%から34%を多く見てきたからか、かなり低たんぱくと言う印象を受けました。
最初はこの数字だけを見て高齢の金魚に良さそうだなぁと思ったのが購入のきっかけでした。
高齢予備軍の金魚も含め皆が喜んで食べてくれているので毎日与える餌としては合格です。
転覆しそうな金魚への給餌にも期待
タンパク質は金魚のお腹での分解時にガスを出すことが知られてますので低温時の消化不良でお腹にガスがたまり浮いてしまう金魚にも良い餌かと思います。
僕の場合、そのような金魚には専ら餌を減らすことで対応していますが、こうした餌があると更に安心です。
肉瘤への影響
僕が現在飼育する金魚は高齢&高齢予備軍以外は全てオランダ(肉瘤が発達する金魚)です。
だから肉瘤を充実させるために必要なたんぱく質の補給は重要ですので低たんぱく餌を与える事に不安があります。
通常はランチュウベビーゴールドという超高たんぱく餌を与えているので肉瘤の成長に良い条件で維持できてますが、この餌は低たんぱくなのでオランダ達に関しては主食にするわけにはいかないと思っています。
この点に関しては、その検証が可能かどうか分かりませんが予定外に産まれてきた青文魚の一部を高齢金魚水槽にも入れているので今後の成長をプラ舟の青文魚と比べながら見ていきたいと思います。
つまり
高齢水槽(主食:ミニペット沈下性)
黒プラ舟(主食:ランチュウベビーゴールド)
の環境でそれぞれのベビー青文魚の瘤がどう成長するか見ていこうと思います。
ミニペット沈下性のパッケージ
錦鯉の上見とリュウキンの横見を並べてしまうと言うかなり攻めたパッケージデザイン(統一しようよw)
不安が残るパッケージ
また100g当たりの価格が215円級(※1)とキョーリンの餌では、かなり安いほうに分類されます。
包装も中級グレード以上に採用されるアルミ蒸着のパッケージではなく、光を通してしまう通常のプラフィルムにグラビア印刷のみです。 もともと鯉用の餌を小さくしてミニペットとし、大きなサイズの金魚にも与えられるようにしたものなので若い金魚や小さな金魚に与える事は想定されていない事や、パッケージの内容量200gなら短期間で使い切れるという想定の為そうなっていると思います。
ですので袋のまま使用するのはNGですし、使わない分の保管は冷暗所で行う事や餌の保存方法の記事のように一度開封した時に小分けして空気の入れ替わりを減らして冷暗徐に保管すれば数カ月くらいであれば品質は高いまま維持できると思います。
上記の方法で管理すれば新鮮でカリカリの状態で与えられますのでお勧めです。記事を書いた後の実験ではフレーク餌でも2か月後にパリパリを維持できてました。
実際の販売価格は更に安いですがここではキョーリンが付けている定価でキョーリンが考えているグレードを判断するために100g当たりの価格を見ています。
使用原料
大半が穀物?という構成
米ぬか
大豆ミール
と来て3番目にようやく
フィッシュミール
が登場し、その後も、
とうもろこし、小麦粉、魚油、かしこ、ビール酵母、グルテンミール、海藻粉末、ガーリック、ビタミン類、ミネラル類
と続きますので、3番目のフィッシュミールと途中で出てくる魚油以外は植物系の原料です。 しかも穀物類粉(関西では「粉物=こなもん」といいます)が異常に多いです。 昔、これに似た100%植物原料のものも試しましたが金魚が食いつかないので途中で捨てました。 この餌は程よくフィッシュミールが入っているのでその差なのでしょうか?若しくはガーリックなどの匂い系のおかげでしょうか? 自分では食べてないので理由は分かりませんが見てると食いつきはいいです。 これまでに調べたどの餌よりもタンパク質は低めで27%以上なのにこの食いつき・・・とりあえずこの餌を高齢金魚の餌として1年程固定してみようと思います。
※2017年秋から導入してますので既に半年経過しています。
ミネラルなどの配合は売れ筋商品のそれを継承
この餌は発売は2015年と比較的新しいですけど、今流行りの乳酸菌とかを配合したりせず、必要なものだけを硬派に配合した伝統的な餌の流れを継承しているのが好感持てます。
僕はキョーリンの餌の大ファンですがパッケージにリボンのマークが付いてないものは買いません。(咲きひかり金魚を除く)
理由は同じ会社とは思えない配合の餌も時々あるからです。 金魚の餌なのに梅干しの産地とかをアピールしているのを見た時は「え?そこがこの餌のウリなん?」と流石に心配になりましたがパッケージにリボンが配されているシリーズはそういうチャラチャラした感じが少ないというかマーケティング部が会議室で考えたような軟派な内容ではなく、昔からの流れを大切に受け継ぎながら改良を重ねしっかりと真面目に配合を考えた餌やその派生品だという印象を受けます。 まあこんな時代ですので多少はマーケティング部の言い分も聞かないと仕方ないと思いますが。
ちなみにリボンシリーズの代表として姉妹品のミニペット浮上性が45年、ランチュウベビーゴールドが35年、発売から経過しているようです。(2017年パッケージ印刷時)
また比較的最近の配合という事で、ビタミンやミネラルの基本構成はランチュウベビーゴールドと同じです。
※厳密にはランチュウベビーゴールドにはB12やPABAも添加されているので全く同じという事ではありません。基本構成のみ同じという事です。
SPEC
製品名 | ミニペット沈下性 |
メーカー | キョーリン |
発売日 | 2015年2月27日 |
定価 | 430円 |
グレード | 100gあたり215円級 |
内容量 | 200g |
浮沈 | 沈下性 |
粒度 | 中粒 |
対象金魚サイズ | 10cm以上 |
質量 ※Z | 29.4㎎/粒 |
溶け出し指数 | 4 |
タンパク質 | 27%以上 |
脂質 | 6.0%以上 |
粗繊維 | 6.0%以下 |
水分 | 10%以下 |
灰分 | 15%以下 |
りん | 1.0%以上 |
※Z・・・3gを計量し、その粒を数えて算出した平均値です。
水を汚しにくい餌
このブログでは条件を統一して餌の溶け出しを調べています。
プレソーク5分での溶け出し指数 4
は予想通り非常に優秀な数値です。
流石に粒度が大きいので5分程度では中まで吸水されない事もありあまり養分が溶け出していません。
プレソークは餌の総重量、温度、水量、時間など諸条件を全て同じにして比較していますが、この餌の場合、5分では表面が少し溶け出す程度で中は硬いままでした。金魚はこれをそのまま丸呑みする訳ではないので(ゴリゴリして食べるので)問題無いと考えていますが直ぐに中まで吸水して柔らかくなるというタイプの餌ではないという事だけ記しておきます。
完全吸水後も結合は強め
またプレソークとは別に30分以上水に漬けて完全に吸水させて結合の強弱を見ましたが、かなり強い結合が残っていて弾力があります。 結合の弱い餌なら押すとそのままバラバラに潰れますが、これは多少なら塑性変形せず元に戻ろうとします。 つまり結合は強いほうです。 過去に使用した餌で言えば同じシリーズのミニペット(浮上性)と同じくらいの強い結合だと思います。 逆に咲きひかりやランチュウベビーゴールドは完全吸水後に手で押すと塑性変形し最後にはバラバラになります。
実際、金魚としては硬い餌をゴリゴリ食べるのと、柔らかい餌をくちゃくちゃ食べるのとでどちらが食べやすいのか良く分かりません。 見ていると生餌ではグミ状のものが最も苦手で、市販の餌ではフレーク餌が最も食べるのに苦戦しているように思えますが、この餌もそれなりに時間をかけてゴリゴリと細かく削って食べてるようなので丸呑みみたいに食べてしまう餌よりもかえって消化されやすいような気もします。 でも細かくなった餌一片一片の個々の結合は強いままなのでこれがお腹の中での消化にどう影響するのか少し気になります。 ここまでの使用で消化が悪いという印象は全く受けていません。
上にも書きましたが転覆病の懸念がある時の餌としてもタンパク質27%なので46%超えの餌と比べるとガスの問題は出にくいかと思います。 結合の緩さ VS タンパク質含有率の低さ どちらが消化に有利なのか興味がありますが、今のところ健康な金魚に与える限り消化は悪くないと判断できる結果です。
水が汚れやすい条件でも汚れを少なくできる
驚いた事があります。
少し多めに与えても水があまり汚れない事です。
高たんぱく餌は少し量を増やすと直ぐに水が匂ってきますが、この餌はそれが一度も起きていません。 まあ多めといっても高齢の金魚に与えてる限りは大した量ではないのですが、その事に気づいてから他の金魚にも昼以降に少し追加で餌をやる時はこれを与えています。 その時高たんぱく餌であたえる量より多めに与えても全然匂いません。
※多めといっても追加で与えるとした場合、(この餌の粒数なら)最大でも30cm水槽で3~4粒、60cm水槽で8粒くらいの話です。
色に関して
ミニペット沈下性は米ぬかと大豆ミールを最も多く含む餌なので見た目の色が凄く白いです。
ふと思ったんですがこの10年で金魚餌は着色料を入れない流れになっているようで金魚を飼い始めた頃によく見たカラフルな餌はごく一部を除いて見なくなりました。各メーカーの対応の差もあると思いますが僕が買う餌はどれもナチュラルカラー(素材の色そのまま)が多いです。
そんな流れもあってか真っ白のこの餌はビジュアルだけから判断すると何となく食いつきが悪そうで心配ですが、食いつきに問題はありません。
過去最低水温でも守りきれたという安心感
去年の冬はこの地に引っ越し後初めて水温が5℃を切りました。
金魚がリビングを占領してるので(金魚に無駄&極端な温度変化を与えないように)完全に離れている仕事部屋以外は暖房できないという生活をしています。
現在住んでいる建物は超有名ハウスメーカーさんの2階建て賃貸で立地条件が良すぎて引っ越しできずにいますw ただし住み心地だけは少し問題があり夏暑く冬寒い昔の家のです。 15年前くらいのものですので断熱は殆ど効いてません。職業柄興味があり前に自分で隅々まで調査してみましたが断熱施工不良が多く見つかりました。
特に壁の中を調査して判明したのですがベーパバリアが一切施工されておらず、その結果として断熱材が結露してミイラのようになり中でカチカチになっていました。 その為、断熱は効いていません。 寒いはずです。
ハウスメーカーさんの家は過去に調査した家も含め、見た目は綺麗で良くできてますが見えないところはコスパ重視で省略しているものが多くどうしても長期的に住むには問題が多いです。 クレーム対応が重視されているのでお客様の目に見える部分や気づく事が可能な部分にコストを集中してかけているのは仕方ない事とされてますが光熱費やリフォームコストを考えれば逆のほうが本当はいいのになぁと僕は思います。
そんな中襲ってきた去年の寒波でミイラ断熱材の入った外壁で2面を覆われる金魚部屋は凄く寒くなり室内なのにコートを着て金魚を見に行ってましたw まあ、これはこれで楽しいイベントです。 水温は外部かと言う程まで下がってましたが、この餌を与えている高齢金魚水槽では転覆は出ませんでした。低温でフラフラしたり危うくなった金魚も居ませんでした。例年ならこの中の2匹はフラフラして危険なんですが、まずはひと冬無事に通過できました。色々な事に気づいたり、何かの確証を得るにはあと数年は与えないとダメですが、まずは異常に寒かった冬を無事に通過できたのは良かったと思いますし、それまでの危うかった何年かを考えるとこの餌を評価したいです。
ちなみに5℃を切る時期も絶食を長く続けたくないので、餌を与えずに数日経過させても、温度が回復しない時は各金魚に少しづつ配分される程度の量だけ与え、また数日は餌を切りその後また1回だけ少量与え・・・を繰り返してしのぎました。 完全な絶食を長期化させると弱ったり餌を与え始めた途端転覆した事もあるので、このような方法で時々少量を与えながら恐々逃げ切りました。
ちなみに水温が10℃以上あれば、毎日ごく少量だけ与えるようにしてました。
この間も苔や水草は自由に食べられるように配置し食べたい金魚はそれを食べられる状態にしていました。
さらに転覆したりフラフラした若いオランダはヒーターで加温した水槽に集めて守りました。
つまり、この餌だけに頼って乗り越えた(つまりこの餌にすればもう安心!)・・・という訳ではありませんので念のため。
ここまでの印象は良好
真冬と真夏の両方を通過しないと分かりませんが、現時点では他の餌に比べて特に消化が早いと思うサインは全くありませんが、悪くも無いですし、明らかに水は汚しにくいのでその点は安心です。
更に低たんぱくで穀物中心というレシピも高齢の金魚には良いので、まずは高齢の金魚用として使っていきたいです。
餌を買う事でそれらのお店の存続をサポートする事になります。
近くのお店が無くなると困るという方は
餌や観賞魚用品を購入してお店をサポートしてください。
特に餌は継続して買う事で強いサポートになります。
今回ご紹介の餌は低たんぱく餌ですが
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