ガス病の金魚

金魚のガス病(気泡病)のいろいろな原因別対応+予防アイデア

青水飼育をしていて怖いと思う事の1つがガス病、または気泡病と呼ばれる問題です。

実はこの問題、見えるガス病と見えないガス病、比較的安全なガス病から一歩間違えば死んでしまう危険なガス病までいろいろあります。つまり間違った対応をすれば死なせてしまう事もあるので1つ1つ見ながら各問題への対処法をご紹介します。

後半では予防アイデアやより安全に治療するポイントもご紹介します。 
勿論、今回もいろいろな写真付きです。

ガス病/気泡病とは

ガス病とは水中や血液中に溶けていた酸素や窒素が温度上昇や過剰供給で溶けられなくなりガス(気体)に戻ってしまい金魚の体を襲う問題です。ヒレに気泡が出る等表面的な問題だけでは金魚は死なないので未だ良いですが、エラや体内で起きる場合は金魚を死なせることもあります。
また金魚飼育で関わるガス病は大きく分けて2種類、酸素ガス病窒素ガス病がありますがこれらの違いも含め書かせていただきます。

酸素が増えすぎて出る酸素ガス病

発生メカニズム
青水飼育や水草や苔まみれの飼育をしている時に太陽光が強く当たると光合成が行われ水中の酸素が増える。
ここまでは良い事ですが水中に溶けきれないほど酸素が出来てしまうとそれがライジカルなまま水中に浮遊し金魚を襲います。 
ちなみに過去に検証されている実験データから酸素ガス病はちょっとした過飽和で出るわけではなく少なくとも飽和度が250%から350%を超えるような場合(条件次第では400%超え)に出ると分かります。
同検証によると高温のほうが頻発し被害も大きく出てました。

症状
稚魚に出ると死ぬ流れもありますが、成魚ではこの流れでの死亡例は殆ど無くヒレなどに気泡が出来て綺麗に治らない場合に観賞魚としての見た目へのダメージが懸念されるという問題です。
幾つかの検証実験の例をみましたが、僕たちの飼育条件下では光合成で酸素が過剰に出る事が原因のガス病単独では死魚が出るような問題では無いという認識で良いようです。
ただし検証例の期間が短い事や高くても400%までの確認に留まる事から放置して良いという判断は危険です。
飽和酸素量を120%以下に維持する事が大切と考えている研究者さんも居られますのでこの兆候があれば問題化する前に対策を講じたほうが良いと思います。

対処法
この問題は光合成を阻害する事で軽減できます。
◆太陽光を遮光する
◆青水を薄める・苔を取る・水草を間引く
◆エアレーションで飛ばす
この3つが直接的な対処法になります。
また間接的に
◆水換えをする
◆水深を深くする
も助けになります。

温度上昇で溶けていた酸素が出てきて起きる酸素ガス病

こちらは怖い方です。
水温が35℃だから危険とかというものではなく、
◆温度上昇幅が大きければ大きいほど、
◆短時間で上昇すればするほど
恐ろしい流れになります。

上記の光合成のものは高い飽和度数でようやくヒレにダメージを与える程度だという認識のようですが、これは既に体内に入っている全ての酸素が対象になります。血液や体液に含まれるものすべてです。これらが水温の急上昇で溶けきれなくなり出てくるので酸欠による窒息死を含め簡単に金魚を死に追いやります。
※変温動物は体温の維持が出来ません。この場合水温=体温(体内温度)です。

ただし余程の異常な飼育をしない限り単独ではこの条件にはなりません。

発生メカニズム
まず自然に飼育していて出る可能性があるとすれば
◆水深が異常に浅い中、直射日光が100%で当たり続けている場合
◆屋外なのにどんぶりで飼育してるとか水量が異常に少ない場合で直射がある場合
くらいです。
あと
◆黒い容器や金属製の容器で飼育している場合
も条件次第では想定外の温度上昇を起こします。

より現実的に初心者の方がうっかりミスでやってしまいそうなのが
◆冬場にいきなりオートヒーターを使う場合
10℃の水温で金魚が転覆しそうになり焦ってヒーターを設置しスイッチオンで数時間後には26℃に・・・
こうなると金魚は生きていけません。

とは言っても、僕も浅い水深の5Lコンテナで一時的に屋外で稚魚飼育してみたことはありましたが日中手を入れたらお湯みたいな温度だったので温度計で確認したら36℃とかでしたが中の金魚は普通に泳いでいました。 (良くない事なので今はしてませんが)このように急上昇でなければ徐々に体内調整で30℃を超える高温にも耐えてくれるので、あくまで最高水温ではなく急激に温度が上がる事が懸念事項です。

症状
このような流れでガス病が出ると酸欠が絡むので金魚は即死、遅くとも数日で死にます。ある金魚屋さんの話では被害魚を観察すると、同じ場所をくるくる回って変な泳ぎをするようになり夜には全て死んでしまったという事もあったそうです。 これは血中の酸素が急激に気泡化する事や内臓器官内部まで気泡が出る事で破壊され金魚が生きられなくなるのが原因の様です。

対処法
こちらも直接的な対処法は
◆太陽光を遮光する
◆水深を深くする
◆(可能なら)場所を移動する
等により温度上昇を緩慢にする必要があります。

◆ヒーター使用の場合は
温度コントローラーを使用して
1時間に1℃ かつ 1日に5℃
みたいに金魚に負担をかけにくい上昇幅だと安心です。
時間の余裕があるなら1日1℃くらいのほうが弱っている金魚が居る場合なども問題化しにくいので更に安心です。
※この数字は単なる例です。
 何かを保証するものではありません。
 可能な限り安全側で対応してください。

光合成&水温上昇の両方により起きる酸素ガス病

上記の2つを合わせたタイプになります。
こちらのほうがより現実的に起きると言えます。

ただ、2つの原因を1つにあわせて書くと光合成の問題と温度上昇の問題を取り違える方も出ると思う為、判断を正確にしていただけるように2つの原因がある事を強調する為分けました。

ですので対処法などは上記の2つを併せたものになります。

この2つ併せたものが青水飼育で春夏に良く起きるイメージですが、実は温度の落差が大きい秋にも起きます。

窒素ガス病

窒素ガス病という致死に至る流れになりやすいガス病もあります。
水が痛みやすい環境で飼育されている方や
メンテナンスをサボり気味の方に出やすい問題です。
朝起きたら殆ど死んでいた、何が起きたのか分からない・・・
そんな場合の原因の1つとも言われています。

発生メカニズム
正しく水質管理している室内水槽では原則として起きないと考えて良いと思いますが、サボり気味で管理が不適切だったり、長期的に放置していると起きる可能性はあります。 こちらは酸素ではなく窒素ですので富栄養化したままの水槽やフィルター掃除が出来て無くてヘドロがたまったままの水槽、フィルターを水から出したら温泉のような硫化水素臭がする水槽などの、劣悪環境で水温の急上昇があれば起きやすくなります。 自然界では「いろいろ蓄積している」「水が澱んでいる(流動してない)」みたいな環境で起きるようですが、飼育水槽は自然環境に比べると圧倒的に富栄養化していますので気が抜けません。

上記のような環境で溶存窒素が溜まり(酸素に比べると比較的低濃度の)TDGが110%から120%でも起きてしまうと言われています。(調べた中にはTDGが105%でも被害があった例もありました)

症状
金魚が溶存窒素飽和水を取り込みエラ呼吸した場合、その中の余分な窒素が血管、心臓、その他内臓の流れを止めてしまう塞栓となったり眼球を押し出したりという作用が起きます。 この結果、金魚が正常に泳げなくなります。これが原因で浮袋に空気が溜まりそのまま転覆病になるケースもあるようです。 重症化すればさほど時間を取ることなく死んでしまう。もしくは次の日に全滅するという流れになるようです。 

対処法
これは
3つの基本スキルセット
をきちんと対処して予防に努めるしかないと思います。
特にフィルター内を不潔な状態で保たないように注意が必要ですが、硫化水素臭が発生するほど放置すると他にも色々な問題(特に慢性化した内臓の問題が怖いです)が起きかねませんので少なくとも月に1回はフィルター点検&必要なら清掃する事が最大の予防になると思います。
そして水換えもサボらず確実に行い富栄養化させないように注意し、
餌も与え過ぎないようにして予防したほうがいいです。

青水が作る酸素

写真で見るガス病/気泡病

過去最大のガス病
▲ 秋に出た過去最大のガス病です。
ガス病は夏の問題と思われてますが温度差を考えると秋のほうが怖いです。
写真の撮影時間をみると14時16分・・・まさにピーク時です。
金魚は元気でしたが流石にここまで大きなのは見たことが無く金魚に申し訳なく思いました。 
この時も他のケース同様対応を完了して間もなく綺麗に消えました。

金魚のガス病
▲ こちらは小さいですが一度に沢山出たガス病の例です。 
ヒレの柔らかい部分が水ぶくれのように膨れてしまいます。
この程度なら直ぐに元通りになります。

ガス病/気泡病の補足情報

溶存酸素量(DO)

水中に溶けている酸素の量を溶存酸素量(DO)と呼びます。酸素などのガスは温度や圧力で溶ける量が変わりますが、
◆圧力が低くなるほど
◆温度が高くなるほど
溶ける量が少なくなるという性質があります。 

春から夏は温度が上昇するので今まで溶けていた量が溶けられなくなりどんどんガスとなり水中に出てくるシーズンでもあるのです。つまり水温が低く幾らでも酸素が溶け込める冬場に比べると春夏は溶けられる量が少なくなります。

ガス病は基本的に青水飼育の問題とされていますが、温度が急上昇すると透明の飼育水でも起きます。※特に苔や水草が多くて太陽光の直射がある場合。 

更に、何よりも怖いのは、そのような状況では金魚の血中の酸素量まで激減するので、条件次第でガス病だけではなく他の問題も併発しやすい条件です。 

全溶存ガス量(TDG)

こういう理系の呼び名はどれも似ていて覚えにくく識別しにくいですがこちらが本当は全てに使われる呼び方です。 酸素だけ特別にDOという別の名前をもらったと考えると理解しやすいかもしれません。 TDGは Total Dissolved Gasを略したものです。
またこの記事では窒素の項目で使いましたが、通常TDGといえば窒素だけではなく酸素も含んだすべてのガスの総量を示すことが多いようです。この記事では検証実験で人工的に窒素を溶存させたデータの数値を参照しているので窒素のみを計測した数値です。

太陽光による光合成と過剰に増える酸素

植物は太陽光を浴びれば光合成します。青水を構成する単細胞藻も同じです。あの綺麗な緑色は葉緑素の色なので太陽を浴びれば光合成します。 これは本来とても良い事で自然のエアレーターとして局部的ではなく水槽水全体で一気に殺菌するので能力が高く透明の水よりも金魚に良質な住環境を与えてくれます。 でも何でもやり過ぎは逆効果という事で注意が必要です。

水中に溶けきれないほどの酸素が発生した時、溶けきれないからといって自然に消えるわけではありません。
空気中に放出されるには気泡になる必要がありますがこれには気泡に変化するためのエネルギーが必要です。
つまり条件が整わないと溶けきれないまま水中に残留してしまいます。
下手すればラジカルなまま浮遊です。
これが金魚を襲います。

エアレーションやポンプの水流で過剰なガスを追い出す

上記のように酸素や窒素が増えて過剰にたまってきた時にそれを出すには水を動かす必要があります。 一般的にはエアレーションが有効とされていますが、この時のエアレーションの目的は水を動かしてガスを出す為であり酸素を溶け込ませるためではありません。 また水中ポンプで水流を作るのも有効ですし、金魚が活発に泳ぐ事でも過剰なガスが気泡になり排出されます。例えば以下の3枚の写真がそれです。

ガス病 ガス病 ガス病

▲ この3枚の写真はガス病ではありませんが、ガス病が出たのと同じ日に他の魚を撮影したものです。酸素濃度が高くなると出るようです。

これは一番風呂に入ると僕たちの体にも気泡が付きますが、あれと同じ原理です。 これだけでは問題になりませんが、これはガス病が出るレベルの過飽和のサインとも言えますので条件次第では警戒が必要です。

僕は目が悪いので初めて発見した時は寄生虫かと思って焦りましたw
撮影して拡大して見れば気泡だと分かりますが肉眼だと白い点にしか見えなくて焦りました。

ガス病/気泡病の予防アイデア

pHの急上昇を見て対応する

青水は問題も多いですがメリットも多いので、うまく付き合うためには条件を適度にバランスさせる方向で調整するのが理想的です。

そしてそれを総合的に判断する指標の1つがpHです。
これは酸素の溶けている量を表す指標としても使えますので朝に検査して昼過ぎから夕方前にもう一度検査してみてその差が大きい場合は要注意です。 あくまで上昇幅を確認してください。 値が高いだけでは別の理由も考えられます。 pHは色々な要因で数値が変化しますので酸素の増え方を判断したいならこのように光合成の起きる前後の数値を比べる事で判明するしかありません。 朝が高くても午後の検査でさほど変化なければガス病は出にくい条件ですし、朝が低くても午後に急上昇するようなら非常に危険なので対策を講じたほうが良いと言えます。

pHの急上昇が確認された場合は、青水を薄くしたり太陽光を何割か遮光したりして光合成によるpHの上昇を緩和してください。

これまで大きな池での計測データを色々見てきましたが、自分の水槽で起きているようなpHジャンプの例は未だ見たことがありません。(自然界に比べればあまりにも小さな)水槽で(自然界に比べればあまりにも何でも高濃度な)条件下で起きるものだと考えています。

水温の急上昇を見て対応する

水深が浅い場合や水量が少ない場合は特に温度上昇幅が大きいです。
僕の飼育データでは1日の幅は20℃近い時もありましたが朝から夕方までの上昇はだいたい5℃から15℃が多いです。 5℃というのは気にする必要のない上昇幅ですが、15℃というのは何時間かけて上昇したか気にしたほうが良い上昇幅といえます。 

あまりに急に変化する場合や温度差が大きい場合は金魚にダメージが加わる前に水深や総水量を見直したり水槽を置く場所を再検討されると安心だと思います。

変更できない場合は遮光するなど別の方法で金魚を守ってあげてください。 

体内の血中酸素まで気化させるガス病や酸欠は本当に恐ろしいので温度上昇幅は特にご注意ください。何時間もかけて上昇する場合は問題ありませんが、健康な金魚でも短時間に温度上昇が起きたり、多少緩やかでも何時間もの間変化し続けると危ないと思いますし、さらに急激な変化ならもはやロシアンルーレット状態です。

ガス病/気泡病の安全な治療方法

さて、相手は自然ですので想定外の事も起きます。
ここまで予防措置をしていても出る時は出ます。
そのような場合は発見次第対応する事で大事に至らずに済むことが多いので落ち着いて対応してあげてください。

ガス病被害の金魚を発見したらまずはそのまま飼育水ごとバケツに掬い取ります。
バケツは太陽光が当たらない暗くて涼しい場所に置いてください。
このとき金魚に悪影響が出ない程度のエアレーションをして水を回してください。これは酸素を増やすのではなく中のガスを追い出すためのエアレーションです。
※この時未だ水は替えません
発見後直ぐに水を替えるように勧めている本もありますが以下に書く内容を理由として僕はお勧めしません。 読み進めていただければ理由が分かると思います。

動きが正常で体内に何の問題も無い軽症の場合はここのまま放置するだけでもガス病は治ります。
温度やpHが一時的に高いだけの場合は
特に何もしなくても多くのケースで夕方以降は普通の値に戻りますので、基本的には特に何もしなくても日陰に避難させればガス病は治ります。
極端に言えばこんな事が起きていても気づかずに過ごしている可能性もあります。

※移動できない場合は(光合成を止め・温度上昇を緩和する2つの目的で)遮光するのも良いと思います。

ただし重症化している場合は適切な対応をしてないと金魚が死ぬという事があります。
この記事では安全側の判断で、たかがガス病とはせずに、同時に酸欠や水質問題が起きていても安全に金魚を元に戻す方法をご紹介します。(通常はここまでしなくて大丈夫ですが大切なペットを不注意で死なせない為の安全対策です)

まずは問題があるか無いかを判断する情報収集です。

上記のようにバケツに金魚をレスキューしたら
◆飼育水の温度測定
◆飼育水のpH・アンモニア・亜硝酸塩検査
◆金魚の動きを観察
をします。

pHが高い数値の場合は
念のため追加で
◆アンモニア検査
◆亜硝酸塩検査
もしたほうがいいです。

特に高いpH&高い温度ではアンモニアはイオン状態を保てないので少しでも猛毒になりますのでご注意ください。
詳しくは以下のリンクのアプリでご確認ください。

アプリ内の数字を選ぶだけで危険度が判定できます。
時間のある方は適当なアンモニア数値と温度を選んでからpHを極端に変えてみてください。怖さが分かると思います。pHさえ低ければまあまあ高温でも安全圏を維持できるのもこのアプリでシミュレーションしていただければ実感できます。

更に濾過フィルターのメンテナンスをサボっていた方は
中を開けてヘドロの蓄積が無いか?
温泉のようなにおいが出てないか?
ご確認の上問題があればきれいにしてください。
※まずは金魚の治療を優先し、金魚を戻す前に掃除を完了してください。

飼育水の温度と酸欠

過密飼育をしてなくて・大きな金魚ではなく・飼育水の温度が25℃以下
の3条件をクリアしてるなら酸欠に関しては特に大きな問題は無いと判断して構いません。
でも
◆過密飼育してるときや、
◆金魚が大きい場合や、
◆水温が軽く30℃を超えるような場合
のいずれか1つでも該当するなら酸欠の可能性や体内が低酸素状態である可能性を考えて急激な水替えを避ける必要があります。
ココを間違うと死なせるかもしれませんのでご注意ください。
<これは酸欠・低酸素状態の可能性をみています>
また状況によっては水を替えずに
まず温度だけを下げるという方法も検討してください。

飼育水のpH・アンモニア・亜硝酸塩

pH

pHに関しても(アンモニアがゼロならば)8以下くらいまでは恐ろしい問題を想定する必要は無いと思います。が、10を大きく超えているような場合、つまり検査薬で測定不能な色が出た場合は(アンモニアに関係なく)急激な水替えで金魚を死なせる可能性があります。

ですのでこの場合も時間をかけて水替えしなくてはいけません。
ココを間違うと死なせるかもしれませんのでご注意ください。
<これはpHショックの可能性をみています>

また光合成による酸素の過剰供給でpHが上がっている場合はそのまま放置すれば夕方には正常値になります。 これは他の原因でアルカリ化するのとは違い一時的なものですので太陽光を遮断してエアレーションで水をまわしていれば下がりだします。
結構急に下がる事もありますが、あくまで自然現象なのでこれには金魚も対処できるみたいで耐えてくれるようです。


▲以前、午後2時ごろに調べた時の記録です。
もはや水槽が多すぎるので水質検査もここまで効率化&簡略化しています。

この時は見事にバラバラの結果になりました。
2段目右側から1番目と2番目の濃い色の2つは青水で太陽光が強く当たっていました。
その隣の3番目は苔まみれのジャングルタンクで太陽光が強く当たっていました。
同じジャングルタンクでも、青水でも、太陽光が当たってないものは数値も高くなりませんでした。

この結果からも太陽光が強く&長く当たっている水槽は要注意です。
青水の場合は勿論ですが、苔まみれまたは水草だらけのジャングルタンクも同じように警戒したほうがよいです。これらはここまでに何度も調べて分かった事ですが青水以外でも思ってた以上にジャンプします。

アンモニア・亜硝酸塩

アンモニアが検出された場合は上記のアプリで確認して判定が3か4ならアンモニア中毒の可能性を考えてpHショックと同じように扱ってください。(多分大丈夫と思いますが念のために。)

亜硝酸塩も高濃度で検出された場合も同様です。

<これらはアンモニアや亜硝酸塩の急性中毒の可能性をみています>

金魚の動き

最後に最も大切な金魚の動きです。
見た目が元気そうであれば上記の点だけ気をつければOKです。
でも何らかの異常がある場合は、その内容に応じて必要な対応をしてください。 

特に
◆力なく浮いていて口だけパクパクして苦しそうな場合
◆やたらと水面でパクパクする場合
は、水替えよりも先にゆっくり温度を下げながら軽くエアレーションするほうが重要です。 

この
◆エアレーションも上記同様に余剰なガスを出して安定状態に持っていくのが目的です。
◆温度をゆっくり下げる(1時間に数℃MAX)(金魚の快適範囲20~25℃まで落とせば十分です)ことで溶存ガスを増やしながら温度環境を正常な範囲で安定させます。

つまり同時に別の問題が出ている時は、そんなに気軽に急激な水替えをしてはいけないので、まずは温度や溶存酸素量を正常な範囲にし安定させる事を優先しています。

時間的猶予が無いと考えられる場合や、水を替える必要がある場合は
安全側の判断では1時間に10%ですが、これは本当に時間がかかるので状況に応じてご判断ください。 できる限りゆっくり時間をかけて替えるほうが問題が出にくいです。

以上のように、全ての異常を金魚の動きだけから判断するのは困難ですので
まずは必ずpH・アンモニア・亜硝酸塩と温度をご確認の上、総合的に判断して安全な処置をしてください。

このブログでは金魚をモノではなくペットと考えていますので安全側の対応を基本としています。

青水にすむ3匹の金魚怪獣

4件のコメント

  1. 金魚部さん、

    ご無沙汰してます~。悲喜こもごもの春ですね。
    相変わらず金魚との別れには大泣きしながら、日々精進してます(はず?)。

    ガス病というのがあるのですね。
    こちら日の入る室内、南東向きベランダともに青水にはならず、マンションなんですけど、水道水のpHが8.0~8.5とかなんですよね。初めて水質検査した時にはちょっと驚いたのですが、新入りの子には慎重な水合わせです。

    最近「腸炎」と判断した子を、ようやく「そっとしておく」ことで快方に向かうことが分かりました。。0.5%塩水浴を2週間施すことになりましたが、治療法は、暗めの静かな部屋での絶食。エサ1粒食べただけでのたうち回っていたため、最初どうしようか悩みました。情報も少なく、普通なら薬浴してしまいそうですが、それは違う、っと心に決めてたので、金魚の治癒力を信じました。世の中とにかく金魚の異常事態には「薬浴」を紹介してるように思えますが、薬を使うことで金魚の体力を奪うことなく、早期発見により重症でなければ、徐々に治すこと出来る例というのがたくさんあるのでは、という気がします。エサにしろ薬にしろ、金魚産業の発展?!には犠牲は付き物なのかもしれませんが(><)

    • dalahastさん こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      そうですね。
      金魚の力を信じて環境だけ整えて見守ってると治る事が多いですね。
      環境が安定した時の金魚の強さや回復力は本当に凄くて驚きます。

      内臓の病気は機能停止とかで死ぬので無理な事もありますが
      外傷に関してはかなりの重症に見えても僕達が下手な事さえしなければ上手くいきます。

      あと
      自然界の金魚を研究している方の話では金魚は自然環境に適応すると病気という病気を殆どしないらしいです。
      自然界は一見過酷なようですが僕達の水槽よりも遥かに安定してるそうです。
      また別の方が指摘されていたのが人工餌・・・栄養の塊・・・です。
      「あんなものは自然界には無いのでドバドバ食べさせればそりゃ病気にもなるよ」って書かれててその通りだと思いました。

      結局金魚が「病気になる」とか「死ぬ」のではなく
      僕達が「病気にしてる」&「殺してる」んだと思います。
      とは言え生き物なので頑張って世話しててもいずれは病気になったり死んだりすると思いますけど、僕の場合、そういう避けられないケースは稀で多くのケースで自分の管理ミスだと感じてます。

      まあ何事も経験なので薬を使う事も経験して比べるのはいい事だと思います。
      結果は人それぞれだろうと思いますし、最後は飼い主さんが自分で判断して最適と思うものを選べばよいと思います。
      日本は島国だからか答えを1つに決めたがる傾向が強いと思いますが、僕はもっといろいろな意見や選択肢があってその中から自分に合うものを選べる世の中が理想的だと思います。
      人生を楽しむためにも、金魚飼育を楽しむためにも。

      金魚が元気だと飼い主としては精神的にとても平和ですし、みんなが自分の心の平和を手にできる世の中になるといいですね。

      • 金魚部さん、こんにちは~。

        はぁ…そうだったんですよね、安定した環境にするだけで治ってくれるというのに、余計なことやトンチンカンなことをしてたと思います。金魚飼育もまさに、経験を積み重ねて学ぶものですね。

        自然環境に適応すると、やはり強いんですねー。
        ベランダのコメットと和金が、寒かろうが暑かろうが調子を崩すことなく、コケや水草を食べながら元気なのを見ていると、非常に納得です。(そもそもフナに近いので強いのでしょうけど。)

        色んな事が起こりますけど、たとえ飼い主のミスだと感じても、金魚はいつでも「頑張ってくれてありがとー!」っと言ってくれる寛大さ(我慢強さ?)がある気がして、少しでも恩返しが出来るように気を付けて世話したいと思ってます。物事は、正しいとか間違ってるとか、一概に言えるものではないし、様々な意見が尊重されながら前進して、平和に繋がると良いな(*^^*)

        • dalahastさん こんばんは。
          お返事ありがとうございます。

          ベランダで飼育ならイイ感じで鍛えられてそうですね。
          金魚の事を考えると屋外の温度差はとても魅力的です。
          しかもコメットですか、強そうですね。
          あんなスピードで泳いで良くぶつからないなぁと思ます。
          ウチのバルーンなんか秒速3cmくらいでも止まれなくてぶつかってるのにw

          おっしゃる通り苔だけ食べさせておけば十分みたいですね。
          去年は初めて苔のみで金魚のおなかが太ってくることも確認できました。
          バランス的にも(人工餌程過剰に凝縮されてませんが)金魚に必要なものは全て含まれるので生きていけるんだと思います。
          僕は丸手のコロコロした金魚が好きなので人工餌も与えてますけど。

          確かに金魚はすごく我慢強い生き物ですね。
          数々のミスを吸収して耐えきってくれますし
          せめて環境を良好に維持するくらいの事はきちんとしてやろうと思います。

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