金魚に観賞魚薬を使用しない理由

もはや長い間使っていませんが使っていた頃は

金魚に 観賞魚薬 って使えないなぁ。
治りが遅いし、下手すればストレスが増して金魚が弱るので更に悪化する事もあるし。

みたいに不安に思いながらも観賞魚薬を使用を続けていた時期がありました。
当時は色々な事を知らなかったのが一番の原因ですが、今思えば圧倒的に観賞魚薬の情報が不足していたと思います。

そんな 観賞魚薬 とその他の選択肢に関してのお話です。

日本の法律に関して

まず最初に、金魚とその治療に関係がありそうな法律として動物愛護法や獣医師法が思いつきますが、金魚(魚類)はこの両方から除外されています。

動物愛護法

(罰則)
第四十四条 
 前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
一 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
二 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬は虫類に属するもの

e-Gov

獣医師法

(飼育動物診療業務の制限)
第17条 
獣医師でなければ、飼育動物(牛、馬、めん羊、山羊、豚、犬、猫、鶏、うずらその他獣医師が診療を行う必要があるものとして政令で定めるものに限る。)の診療を業務としてはならない。

公共社団法人 横浜市獣医師会

獣医師法施行令

(飼育動物の種類)
第2条 
法第17条の政令で定める飼育動物は、次のとおりとする。
 (1) オウム科全種
 (2) カエデチョウ科全種
 (3) アトリ科全種

公共社団法人 横浜市獣医師会

※薬事法は「動物」と言う言葉が使われている為、金魚などの魚類も含みます。
※この記事で「観賞魚薬」と示すものはホームセンターなどで購入できる正規の観賞魚薬のみを示します。
※この記事で「観賞魚薬」と示すものには、ネットのみで販売されている薬事法違反の薬やコンディショナーや餌は含みません。

薬事法違反の商品に関して
ネットのみで販売される違法なものはそれが効くがどうか以前に、莫大な資金を必要とする臨床試験が行われていないので副作用や異常遊泳や原因不明の突然死など数えきれない別の問題が出ます。それらを購入する時点で金魚飼育者としては論外という事で、本記事では触れない事にしました。 
それが薬であれコンディショナーであれ餌であれ、魚のコンディションが変化すると効能を謳うものは全て薬事法の規制の対象になります。
特に悪質な業者販売ページには効能を書かず、「メールで説明」「第三者名義のブログで絶賛」「騙されている認識のない被害者がSNSで拡散」などの方法で摘発を逃れているようですのでご注意ください。 怪しいと思った場合はその販売者の住所を確認しその都道府県の保健所や福祉部にお問い合わせください。
詳しくは
医薬品医療機器等法違反の疑いがあるインターネットサイト
というキーワードで検索して厚生労働省のページを開いてご確認ください。

 

さて話を戻しますが、動物愛護法や獣医師法の対象外になっているという事は、金魚を虐待するような行為をしたり、知識も獣医師免許も無い人が治療行為(お医者さんゴッコ)をしても(海外では捕まる場合でも)日本では(条例で規制を強化されている地域を除いて)罰せられる事がありません。 
(条例で規制を強化されている地域を除いて)報酬を得て他人の金魚に行って死亡させてもせいぜい器物破損罪です。

また別の記事にも書きましたが日本では観賞魚の場合、販売店や問屋さんや養殖場さんに水質検査すら義務化されていません。水質基準も設定なしです。(2017年10月現在)

※そもそも食用の養殖魚に薬を使う事は原則として禁止されているので観賞魚とは全く別の産業として区別すべきとも関係者の方に教えていただきました。

このような背景がある中で観賞魚薬は製造・販売され
医師免許のない方々を含んだ多く方々により様々な使い方で自由に使用されてきて現在に至ります。

金魚用・一般用に調合しなおしていない現状

昔、金魚部でも書きましたが、日本で販売される観賞魚薬には金魚の為に処方されたものは存在していません。そればかりか、水槽飼育用に適正化されたものすら殆ど無い状態です。上記のような背景がある為です。

海外の一般向けの薬を輸入して使ったことがある方はご存知と思いますが全て水槽用に計量可能な配合にしてあります。例えばアメリカでは、一般消費者に販売しようという場合、計量ミスなどが起きないようにして販売しなくてはいけないので60L水槽に使うような薬を水量が大きな池用の調合のまま販売できません。 より具体的には計量の単位が600Lとかではなく60Lや10Lになるように調整されています。(アメリカはガロンですが分かりにくいのでリットルで例を書いてます。)

本来、日本では観賞魚薬と言うのは一般向けではなく業者さん向けに製造され販売されてきました。いわゆる池用です。
そこに「ネット」という情報拡散メディアが登場し急激に情報が広がった事で本来一般人が買う事は無いと考えられていた薬品まで購入する人が増えてしまい、衰退化して対応が出来なくなっている業界は時代の変化に追い付けないまま現在に至るという感じの様です。 ですのでこの点に関しては販売者もメーカーも悪くなく、時代の流れの速さの中で資金力も無く手を打てないままこのようになったそうです。

明暗が分かれた「暗」の例が観賞魚薬であるなら、「明」の例が農薬です。
農薬は何度も訪れた園芸ブームの中で徐々に改良され、パッケージも完全に一般消費者向けが作られ、使用量も植木鉢やプランターでの少量栽培でも問題ないように調整されたものが多くなり現在に至ります。最近では細かく配合を変えて「バラ用」とか「野菜用」みたいに専用のものまで出るようになりました。

またこちらは大企業が数社以上で競い合う大市場なので資本も十分あるようですし、一般の購入者数も観賞魚薬のそれとは比較にならないので、そこまでする価値もあります。 ホームセンターなどで観賞魚薬の売り場面積と、園芸用の農薬の売り場面積を比較していただくとその差がどれほどかおわかりいただけると思います。

取扱説明書の記載事項

そんな事で業者向けに作られたものをそのまま基礎知識が全くない一般人の僕たちが購入する時に起きる問題がもう1つあります。
それは取扱説明書です。
近年、一般消費者向けの製品は非常に詳しい取扱説明書が付きます。
用法や効果などは特に強化されていませんが
「使用上の注意」が特に強化されたものが多くなっています。
結局、ネットの普及で誰もが簡単に専門的なものに辿り着くので、昔であれば多少なりとも基礎知識のある人しか購入しなかったようなものがクリック一つで次の日には自宅に届く時代ですので、中には想像を絶する危険な使い方をする人も出てきます。

そのバカの一人が僕です。
観賞魚薬を10℃以下で使用して白点病やダク・ギロを治療しようとしたことがありました。金魚部で冬場に4匹のオランダを治療する記事です。
当時は10℃以下で薬を使う事が如何に危険で馬鹿げた事か?など知らずに実施してしまいました。
そんな間違いを犯しても4匹中2匹は生き残ってくれましたが、普通なら全滅しても不思議ではないミスでした。
この件に関して生き残ってくれたまるちゃんとカクさんには感謝してますが
単に運が良かっただけで、あと1つ何か起きてればこの2匹も死んでいたと思います。

知識も無いのにお医者さんごっこをしてしまった事で何度も金魚を死なせたり死なせそうになるという事を繰り返してきた過去がある僕は、その懺悔もありこの記事を書いています。

もしネットが無くて、最初から図書館で一から勉強して多くの選択肢を検討してその中で選んだ治療法であればもう少し安全な範囲で実施できたでしょうけど、当時観賞魚薬に関してはネットの情報で選んでいました。 5分程度で得られた情報だけで選んだ劇薬を使用して金魚の”治療”をしようとしたのは浅はかでした。

話を戻しますが
近年、一般の取扱説明書はこんなネット時代を背景に物凄く進化しています。
特に先述のように「使用上の注意」がアメリカ並みになってきました。
昔は日本の場合、「こんなことするバカは居ない」と突っ込むような内容は書かれてませんでしたが最近のものは全て書かれるようになりました。
誰もがお金さえ出せば何でも手に入る時代だけに、知識や経験がゼロの人の手元に危険なものが届く事も多いので、「そんな馬鹿な」と思う内容も書かれるようになりましたが、逆に言うと、そのような取扱説明書は最高の教科書でもあり、隅々までよく読むと、大体どのようなものなのか?、過去にどんな事故が起きたのか?、何を注意すべきか?とても分かりやすくまとめられているとも言えます。特に馬鹿げた事が書かれている場合、過去に大きな事故が起きたと想像して読むと納得できるものが多いと思います。

でも観賞魚薬は・・・まだ一般向けに改定されていないので取扱説明書も昔のままシンプルに最小限の事だけ(法的に要求される事だけ)書いている状態なので基礎的な事は自分で勉強して知っておく必要があります。

※薬によっては既に細かく記載されている例もあります。
特に海外ライセンスのものはあらゆる魚種で異常遊泳が出ないか臨床試験を行って、その結果判明した事など、細かく記載されていました。

薬を使う前に知っておくべき基礎知識

メーカーさんは起こりうる全ての問題を説明する義務はありません。
あくまでその薬に起因する(副作用など)既知の問題を使用者に伝えればよいというのが最低条件なのでそれ以上のことはあくまで企業努力や善意の行為という範囲で義務ではありません。

◆金魚が10℃以下で薬に対する抵抗力を失う事や、
◆治療に適正といえるpHの範囲

など特定の薬に起因する事ではない事、
つまり薬を使用する時に最低限知っておくべき基礎知識は自分で勉強して習得している必要があります。

さもないと幾ら用法や用量を守っていても薬が効かないどころか逆に金魚が弱りだすという流れを作る事になります。

更に言えば
◆高齢の金魚はどうでしょう?
◆産まれたばかりの稚魚は?
◆成長不良で小さいままの金魚に使っても安全なの?

このようなケースは本当に記載されている濃度で薬浴して大丈夫なのか?
これも薬によりますので1つ1つ自分で確認して適正を維持する必要があります。

効くか効かないか以前に正しい治療になっているか?を問わないと「治療」なのか「無知や過失による虐待」なのか分からなくなります。
当然3つの基本スキルセットに該当する部分も正しくないと治療効果は期待できません。

雑菌だらけの中とか寄生虫の卵があちこちに残ったままの水槽で治療してもダメですし、元気にしようと餌を大量に与えてアンモニア地獄にしてもダメです。

また
毒をもって毒を制するタイプの薬
は特に上記の事を全て正しく行わないと金魚がだんだん弱っていきます。

特に消毒剤や殺虫剤が主成分の観賞魚薬の場合
元気な金魚なら耐えられても、重症化して体力があまり残っていない金魚は薬から受けるストレスに耐え切れず死ぬ事もありますので、初期症状でなら規定量で薬浴しても大丈夫と思われますが、悪化した金魚に使えばそれがとどめを刺す事になる事もありますので、この手の薬は特に初心者には使用が非常に難しい薬が多いです。この記事の後半に出てきますが海外では1つ1つの基準が見直され劇薬の多くは一般販売リストから姿を消しました。

観賞魚薬は金魚を治す薬ではないという事実

多くの方々が誤解されている事の1つは

お薬で金魚が元気になる

という事です。
観賞魚薬はニンニク注射や点滴ではないので金魚を元気にすることを目的にして開発されていません。

ここで主たる観賞魚薬の本当の効果や役割に関して少し。
含まれる成分を1つ1つ見れば分かりますが、殺虫剤や消毒剤が主たる成分となっています。
これは金魚を回復させる薬ではなく金魚を襲っている病原菌や寄生虫を殺すための薬であり、その毒により金魚も同時に弱るという事です。
毒の強さは原則として魚には影響がない強さ、かつ原因菌や寄生虫は駆除できる強さとなっていますが、上記のように

◆高齢の金魚はどうでしょう?
◆産まれたばかりの稚魚は?
◆成長不良で小さいままの金魚に使っても安全なの?

これは実は保証されていません。
用法通りに水に混ぜても対象となる金魚には強すぎる可能性もあります。

何故か?

もともとはプロの養殖業者さんが使う薬だからです。
それを仕事としている人であれば経験からその辺を調整出来たり、大量に池で育てる中、成長不良のものは淘汰の対象だったりで、過度に小さな金魚や高齢の金魚に対してのケアは必要なかったからです。

それをネットの普及で一般飼育者が購入するようになりお医者さんごっごが日本中で行われる中、多くの金魚が死んでいくという流れです。
僕自身も知らずに観賞魚薬を使用して金魚を治療して死なせた事が何度もありました。
確かに対象魚として 金魚 という名前が書かれているので全ての金魚に使えるものと思っていた時期もありました。

十分な知識もないまま説明書に書かれていない事は行っても大丈夫と素人判断をしてしまい、最悪の場合死なせてきました。

更にネットでは
「塩を混ぜて使うと効果が上がる」とか
「3種混合で薬を使うとトリートメント効果が上がる」
みたいなネット伝説も流れたりして信じて行う人も居られた時代もありました。
薬を製造する方や獣医師の方からすれば

絶対にやめてください

と言われる方法なんですが昔は良く目にしました。

一説によると鯉の養殖場さんで昔行われていた方法らしく、体の大きな鯉の場合、そもそも金魚に比べると薬の影響が軽いので何種混合しても耐えるのでしょうけど同じことを小さな金魚にすれば・・・言うまでも無く弱ります。 簡単に言えば殺虫剤の多重攻撃みたいな事なので体重が軽い金魚なら死んでもおかしくない行為です。

動物の事を考えて研究しルールを改正している国

このようにネットの普及でいろいろ起きている為、アメリカではこの10年程で多くの劇薬が一般販売(OTC)リストから姿を消しました。

アメリカやイギリスで顕著な動きだったようで、観賞魚薬では特に観賞魚の死亡率の高い劇薬は次々に一般販売禁止になりOTCがはずされてプリスクリプションになったので、獣医さんに処方してもらう以外に手に入らない状態となりました。

ただしアメリカは国内販売は規制していても輸出に関しては相手国の法に従うというポリシーなので法規制が緩い日本の場合、並行輸入と言う形で僕達はその薬を今も医師免許も処方箋も無く買えてしまいますがお勧めはしません。

恥ずかしい話ですが日本の観賞魚薬産業の闇の話を関係者さんから聞かせてもらったり、自分で調べて色々と問題があると分かってきた当時、日本の観賞魚薬が時代遅れで役に立たないなら進化や発展を最重要視しているアメリカの観賞魚薬なら違うかも?いい結果が出るかも?と期待して調べ始め、並行輸入まで考えていた薬が幾つかありました。 そうこうしてる間に獣医さんが見つかりましたので自分で薬を調達する必要が無くなりましたので、間違った方向に行かずに済みましたが、ここでも1つ間違っていれば僕の場合は大きく遠回りしていた事でしょう。 結局、この辺の事を正しく判断するにはかなり広く深い知識が必要なので、信頼できる専門家にお願いするのが最も安心で経済的だと判断し現在に至ります。

また、強い薬と言うのは魚のサイズが小さい場合(体重が軽い場合)既定の濃度でも耐えられずに死んでしまう事もあります。

過去に熱帯魚のブログで日本の観賞魚薬を検証している方々が居られましたが、体重が小さな魚の場合は規定量で既に弱り始めるケースもありました。 これらは 毒を持って毒を制するというタイプの薬、つまり殺虫剤や殺菌剤の強い薬の場合、注意が必要です。

更に

◆薬は金魚の体力を奪いますので体力が十分に残っている事
◆水質管理が金魚の治療に妨げとならない範囲で維持出来る事

など薬を使うときは
十分に環境を整え、金魚の体調管理を通常時以上に厳しく管理する必要があります。
ここが初心者には非常に難しい部分です。

そんな事もあり、徐々により安全で初心者向きと言える塩水浴での治療に切り替えるようになりました。 それでも寄生虫だけは知識が無くて観賞魚薬を使ってましたが、その後、塩水浴で駆除できると分かり、現在の様に全面的に観賞魚薬の使用をやめる事にしました。

塩水濃度で比べる効果の違い

塩は濃度により効果に差が出ますが、濃度を変える事でどんな違いがあるのかを分かりやすくするために3つの濃度10倍差で例を作ってみました。 日本では0.5%塩水浴が良く目にする濃度ですがここでは統一感を出すために全て「3」に代えました。ここでは3も5もほぼ同じと思って読んでください。10倍差での違いに注目してご覧ください。

0.03%オーダー

ミネラルの補給
0.03%は、1万分の3ですので極少量です。
昔の人が、「金魚の調子が悪い時はひとつまみの塩を入れる」として行ってこられたのがこの濃度です。
主として、ピカピカで苔一つ無いベアタンクで起きやすいミネラルディフィィシエンシー必須元素欠乏症)等に効果がありますが、でもこれだけで長期的に安心とはいきません。ミネラルはある程度長期的に安定的に供給しないといけませんので、一時的に整えても効果はありません。コケや水草など水中に常にある環境なら基本的なミネラルは常時供給されます。

また希少金属とか必須元素と言うものは微量は必要ですが多いと毒になります。良く分からずに過剰に添加するとマイナスの結果にしかなりませんので、無理に人為的な添加はせずに上記の様に環境の中に含ませるか、適度に含んでいる餌や食品から与えてください。

金魚の健康をきちんと考えているメーカーの餌には必ずビタミン類とミネラル類が添加されていますので餌を選ぶ時は確認してみてください。 それだけでも企業の姿勢と言うものが良く分かると思います。 小さな違いですが長期的に与え続けると大きな差になります。

そういえば最近発売された餌にミネラルの一種として食塩が添加されていました。これは初めて見たので驚きましたが、僕が知らなかっただけで調べてみると昔からある別の餌にも配合されていました。別のメーカーではリストのかなり前に(ミネラルとしてではなく)材料として食塩を入れている例も見つかり驚きました。 まあそれでも週に1回水換えしてるならこのオーダーに収まるだろうと思いますけど、あまり多く入っていると心配です。最悪の場合は長期飼育していると金魚に海水魚の病気が出ますので注意が必要です。

また塩は水中に多少あると金魚は浸透圧調整が楽になりますが、人間と同じで楽をし過ぎると本来の能力を失うので自然界ではあり得ないレベルまで環境を整える必要はありません。 ミネラルバランでも、それ以外でもです。

0.3%オーダー

軽い殺菌殺虫
粘膜再生
永久浴可能
0.5%塩水浴もこのグループに属します。このくらいの濃度なら原因菌や寄生虫に対して塩が持つ殺菌効果が期待できます。また同時に粘膜の再生も促進されますので金魚の防御層も強くなり回復を助けます。 基本的な事だけ学んで正しく行えれば観賞魚薬よりも簡単に治療できるので僕はこの方法を使っています。

3%オーダー

強烈な殺菌殺虫
ディップ
3%塩水浴はアメリカではホットディップの代表として有名ですが、危険なので十分な知識が無い方は絶対に真似しないでください。
日本の金魚は小さいので1%でもこわいくらいです。
昔の本でも1%はいずれ死ぬ濃度として記録されていました。

このように同じ塩水でもその効果や用途は濃度を10倍、100倍と上げる事で大きく変化します。

重症時の対応など

手におえないほど重症化したら自分で下手に治そうとせずに早めに獣医さんを受診して対処の仕方を教えて頂いたり薬を処方してもらうのが良いです。

もちろん、手遅れで行っても救え無い事が多いでしょうから、できるだけ早めに行く事が重要です。特に内部の問題の時は早く行く事をお勧めします。

治療よりも予防

こんな感じで僕は観賞魚薬の利用を一切やめました。
今は何かあればまずは水換えなど3つの基本スキルセットの見直しをして、駄目なら塩水浴するくらいで、それ以上悪くなれば獣医さんに行こうと思っていますが、そう思ってからは一度も問題が出ていないので2回目の獣医さん受診がいまだに実施できていません。 

結局病気の治療が上手くなるよりも、予防が出来るほうが飼い主の精神衛生上も金魚の健康上も良いので、普段の世話を厳しい目の周期で行うように変えました。

正直、水質管理は今の倍くらいの周期に延ばしても大丈夫だと思いますが、僕は仕事で現場監理が入ると金魚は全く構ってられなくなるので、その時に病気にしない為に厳しい目にして余裕を持たせています。 仕事部屋にこもってPCで図面を作成したり作業している時は金魚の世話を間に挟み込めますが、現場だと(特に他府県の場合)朝に出て夜まで戻れない場合や数日その地に宿泊して対応する事も多いうえに、それが不定期に数カ月続くのでギリギリで飼育していると帰った時にえらい事になってたりしますので、余裕を持たせるようにしています。

皆さんも諸事情があると思いますので、それに合わせて無理が無い飼育にして予防を強化していただければ薬の事など完全に忘れても大丈夫になります。

ブリーダーさんが塩だけあれば殆どの事は治せると言われた時に、最初僕は「自分には無理だ」って思ってしまいましたが実は逆でした。 観賞魚薬で治療を成功させるには金魚の体力が薬のストレスに耐えるのに十分で無くてはいけませんが、0.5%塩水浴なら体力の回復も手伝ってくれて殺菌殺虫もしてくれるので初心者向きだと分かりました。 僕が考えた独自の塩水浴の方法も含め、塩水浴に関しては3つに分けて詳しく記事にしていますので興味のある方はご覧ください。

塩水浴 その1- 種類と濃度と問題点

塩水浴 その2- その効果と治療できる病気

塩水浴 その3- 初心者でも安心の塩水浴の方法

4件のコメント

  1. kingyo部さん、こんにちは~。

    薬の記事、ありがとうございます。
    現在、薬浴はもう行わないとしてますが、ますます意を強めました。ぎょいぎょい。。

    ネットで購入した東錦のナゾの大暴れに辟易し、半信半疑で使った初めての薬「グリーンFゴールド顆粒」でその症状は治り、薬効に驚いたのですが、結局、何だか色々と弱かったようで、長生きさせてあげられずでした。

    自家産の猩猩ワキンのエラ病の最終手段としても同薬を使用しましたが、すでに初動に失敗していたので劇的な効果はなく、かなり長期の塩水浴に陥って真水に戻すことが出来なくなり、後にも先にも恐らく一番好きな子を亡くしました。エラ病は、初期には適切な塩水浴で治せるはずだと思ってます。

    とにかく予防が第一ですね!異変はいち早く察知し、まずは水替えやエサ切りで対処してます。
    塩水浴もさんざんお世話になったけれど、今はできるだけ行うことにならないようにと。
    薬浴と一緒で、金魚が高齢になってくると塩水浴も負担があるように感じたので。

    2011年3月のまだ寒いころ、2週間ほど家を離れることになり、小赤2匹を小さな金魚鉢から大きなバケツに入れ替えてお風呂場に移動し、苔も水草もエサもエアレーションもフィルターもなしでしたが、その夫婦金魚の子供が現在生き残ってるので、金魚ってかなり強いはずなんですよねぇ。。ちゃんと飼ってあげないと!と改めて思います。

    PS:鉢植えのミニセントポーリアに金魚の水を与えてみたら、何だか葉っぱが元気になってますよ♪今度、キンギョソウにも変え水で水遣りしてみよう!(^^)!

    • dalahastさん こんにちは。
      コメントありがとうございます。

      そうですよね。僕も年々塩水浴も含め治療行為は行わなくなりました。
      徐々に病気が減りその機会が減ってきたのもありますが、最近は「とりあえず塩水浴」とはせずに「とりあえず水換え&水槽内正常化」なので、それで治ってしまう事が多いです。
      昔は異変に気が付いたら「早めに初期対応しなくては」と思ってしまい、急いで塩水浴してましたが、最近は様子を見てる間に治ってしまう事も多いです。
      金魚って環境に慣れていれば強いですね。
      そういう意味でも無駄に環境は変えない方向で対応するようになりました。

      バルーンも4匹居ますし黒オランダのショートボディが居るので、未だに転覆病だけは怖いので警戒してますが、こちらは時間はかかってますが1つ1つ外堀を埋めながらいつか根絶できるようにと思っています。
      ただ、こちらこそ予防が全てと思ってますので第一防衛ラインを破られないように守っていることもあり関連記事が書けないままですがこの先10年抑え込めるとは思いませんのでその時が来れば記事を書けるようにデータを採ろうと思います。

      • 無駄に環境は変えない、とても重要ですね。。色々工夫したつもりが、ただストレスを与え続けただけだった、と実感します。

        こちらようやく丸手の金魚歴1年になり長手フナ尾との違いをヒシヒシと感じながら、おかげさまで完全転覆は回避できてますが、転覆予備軍の浮き気味さんたちを少しでも健康にできればと思っています。慎重に慎重にいって、一発逆転できるかどうか、ですね。。

        お忙しいのにほんと頭の下がる思いですが、今後もたくさん参考にさせて頂きますね☆

        • dalahastさん こんにちは。
          お返事が遅くなり申し訳ありませんでした。

          >転覆予備軍の浮き気味さんたちを
          >少しでも健康にできればと思っています

          秋は温度が上下しますので油断しないように天気が良くても、というか良い日こそ餌を控えめで耐えてください。
          夏の放射冷却と違い、秋の放射冷却は急速冷凍みたいに下がるので怖いですから。
          冬の低温安定期さえ乗り切れば春以降は完全回復へのチャンスになりますので、春の乱高下も油断せず通過して確実に20℃を下回らない春の後半になったら徐々にきちんと餌を与えて鍛えながら完治に向けてしっかり食べてしっかり消化ができる金魚にしてあげてください。
          それまでは下手に勝負せず、逃げのびててください。

          転覆病は治すのは獣医さんでも難しいと言われますが、予防するのはある程度のコツさえつかめば何とかなります。

          あとは避けられない急に飼い主が気づくタイプの転覆病ですが、これはまた別の記事で書かせていただきます。

          ウチも丸手だらけだけに何匹かはフラフラしてますが餌を極端に減らす方法で何とか抑え込んでいます。
          勝負は春の後半以降。それまでは僕も逃げます。

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