上の写真は、2匹が仲良く並んだショットを撮影中に
偶然カップルが寄り添うみたいな角度やポジションになってたので採用しました。
母と父
父母共にアゲハチョウを背負っているような立派な尾ビレを持っています。
お花畑の上を飛べそうな感じでしょ?
※でも金魚なので空中は飛べません。あしからず。
さて今回は
父が 黒オランダ4号
母が 黒オランダ5号
なので産まれてきた子供たちは
黒オランダ1世IIと呼ぶことにしました。
お店で買ってきた金魚は全て 0世(G0)として
そこから子供が産まれると 1世、
1世の子供が産まれると 2世、
2世の子供が産まれると 3世
として、オリジナルから何世代離れたか分かるようにしています。
ここで問題なのは既に黒オランダ1世(2号または3号が父)が居るので
今回産まれた子達は、II をつけて区別することにしました。
ラクラク稚魚飼育
既に何度目か分かりませんが僕は独自にラクラク稚魚飼育と名付けた新しい方法で稚魚を飼育しています。
ブラインを沸かさなくて良いので非常に楽ですし、
何よりも孵化してから1か月くらいまでは餌も与えないし水も換えません。
(水が蒸発して減ったらその都度足すだけです。)
他にやる事と言えば、暇な時にそぉ~っと観察するだけです。
ムシを食べられるほどまで来たら
ようやく赤虫や人工餌を与え始め、水も1週間に1回換えますが
その時は既に普通の金魚を育てるのと変わりなく世話できます。
つまり
が全くありません。
それではその前半の流れをご覧ください。
ラクラク稚魚飼育を行う為に産卵前にしておく事
1か月前には以下の3つを準備し始めておくのが理想です。
青水作り
場所:屋外(直射があれば室内でも可能)
青水は初期の段階で最重要の餌になりますので
日光によく当てて少し濃い目で準備できると理想的です。
より具体的には
セキディスクの記事でご紹介しています可視限界水深で言えば12~13cmくらいです。
ここまで濃くなると見た目にもかなりドロドロして見えますし(エアレーションで水を動かしていれば)青水を構成している単細胞藻が渦を巻くような動きをしているのも肉眼で見る事が出来ます。
活餌作り
場所:屋外または室内
水作エイトや上部ろ過装置のフィルターに付着した糞(ヘドロ)を洗った時の水を捨てずにそのまま金魚が居ないバケツかタライに入れておくと餌が出来ます。この時、エアレーションをしていないと硫化水素が出来たりして、あの独特の匂いがするのでエアレーション推奨です。
ここで作るのは赤虫やそれに類する活餌なので(この飼育法だと)稚魚の孵化後3週間から1か月くらいで稚魚の口がこれらを食べられる大きさになる計算です。
ですので他の2項目とは違い、少し遅く準備しても間に合います。
水草栽培(プランクトン)
場所:室内(順応させられる場合は屋外)
水草に付着しているミジンコを有効に利用する為に水は替えず(洗った水を捨てず)にそのまま時間だけ経過させてください。(大体2週間から1か月で容器が緑の苔に覆われその中にプランクトンが沢山増えます。一部は肉眼でも確認できます。)
このようにすれば天気の良い日に水面付近にミジンコが確認できるようになると思います。
動きの違う3種類が居ますので
そこに注目すると見つけやすいです。
1つ見つけると他の2種類も(その環境に存在すれば)見つけられます。
タマミジンコ又はミジンコ(本当の名前はいまだに不明のままです)
肉眼で見ると粉が揺れるように動いているような感じに見えます。
一般的な小さな虫にありがちな動きです。(この場合、プランクトンですけど)
カイミジンコ
上記のミジンコよりも2回りほど大きな粒が電動モーターで
動いているかのような機械的な定速走行で動きます。
(低速ではなく定速:一定のスピードです。)
ケンミジンコ
サイズはミジンコと同じくらいですが移動速度が劇的に早く矢のように直線移動します。
1秒間に自分の体の何倍の距離を移動できるかで比較した場合、生物最速と言われる程速いです。
(時速では大したことないですが単位スケールスピードではチータやハヤブサよりも速い事になります)
ここで3つの事を準備していただくように書きましたが、全てを同じ容器内で行い、そのままその中にふ化直後の稚魚を入れても構いません。(入れる前に、部分水換えと温度合わせは必要です。)
ただし青水は単独で仕込むほうが確実に出来ます。(理由:初期は特に硝酸塩を沢山必要とするのでその奪い合いになると水草や苔に負けることがある為)
この時、水草は季節によっては外に出すと全て溶けるようになって死んでしまう事がありますので、寒暖差が大きい時期に店内で管理されていた物を購入した場合はいきなり外に出すのは避けて下さい。
ラクラク稚魚飼育の注意点
1つだけ注意事項として書いておきます。
この飼育法は自然な環境を模したものを作りその中で勝手に育つようにする飼育法なので100匹とか1000匹とかを飼育するには巨大なスペースが必要です。
ブライン飼育のように餌を大量に供給する場合は限られたスペースで効率よくたくさんの稚魚の生命を維持できるかもしれませんが、ラクラク稚魚飼育ではそれはできません。
効率が悪い飼育法ですので大量に孵化させてそれを選別して・・・という流れを想定されている場合は採用しないでください。
僕の環境での例として
2017年5月現在の基準としては
となります。
水量倍なのに同じなの?と思われるかもしれませんが、
昔は水量1Lで1匹と考えてましたが、数が多くなるにつれて成長に差が出やすくなります。
この飼育法でコロコロと太った可愛い金魚を初心者が簡単に手に入れる為には数は少ない程有利ですので、その意味で僕たち素人飼育者は1つの容器に5匹までくらいが良いと思います。
勿論これは僕の推奨値なだけですので、10匹でも20匹でも入れて試していただければと思いますが、あまり多いと餓死する金魚が出るだろうと思います。
E00 産卵当日
5月3日
産卵やる気スイッチがおされて大潮ではなく小潮なのに見事に産卵。
ここで
稚魚が勝手に育つ環境を作ります。
1
この時オスが興奮したままだったり、メスが弱っている場合はオス・メスを分けます。
2
期間:これまでの経験では一晩で十分でしたが、心配なら受精を確認できるまでこのままにしてください。
受精の確認は肉眼でも可能ですが目が悪い方は虫眼鏡(ルーペ)でご確認ください。
この記事の下のほうに貼り付けているYOUTUBEの白黒ビデオをご覧いただくと初期の卵の変化がどのような感じか分かります。 このビデオのようになっていれば受精しているという事です。
また未受精卵の多くはカビが生えて白くなりますので直ぐに分かりますが、精子が少ない場合(又は全く無い場合)などで殆ど(又は全て)が未受精卵の場合、直ぐに白くなる卵もあれば、長く黄色のままの卵もあります。(メスだけの水槽で以前確認)
ですので受精しているかどうかは卵の中の変化でご判断ください。
白い卵と黄色い卵に分かれたから黄色は自動的に受精卵と判断して水換えするとダメにすることもあります。
3
特に水が泡立って匂う場合は半分以上を入れ替えておくほうが安心です。
ただし、精子自体もこの飼育法では餌の一部ですので全部入れ替えるのは好ましくありません。
4
青水は当分のエサになりますので必ず準備しておいて下さい。
ここでの青水は飼育水ではなく餌という認識で入れますので濃い目のものを適量加えてください。
全水量の半分も要りません。
時間と共に青水になっていくタネになる程度あればOKです。
5
これも餌を生み出す重要な要素になりますので入れて下さい。
この時点で水草が入っている容器の水はプランクトンが多く含まれるので極力捨てずに稚魚飼育に利用してください。(ミジンコ以外にも色々と増えています)
E01 孵化
孵化した直後はお腹に栄養を詰めた袋を持っていますがすぐに無くなるので
その後は針の先っぽみたいな形に見えます。
この時点で別の容器を準備して上記と同じような構成要素を入れて幾つかに分散して育てると、リスクの分散も出来ますし、プランクトンの量が上手く分散されるので成長レベルもバランスが取れます。
大部屋に入れたままだと大きいのや小さいのが出来てその差はどんどん大きくなります。
5月7日
産卵から4日後に早くも孵化しました。
暖かい時期の産卵だと孵化がこんなに早いんですね。
いつもは3月に産卵してましたので倍近くかかってましたし
水温があまりに低いまま推移すると奇形が出ると困るので
ヒーター入れてみたり神経使ってましたが
この時期だとワン・ツー・スリーでポン!ですね。
以下のアニメーションは2012年3月の稚魚飼育定点観測記録の孵化直前のカットですが
この時は孵化までに時間がかかり、ご覧のように後半に血のようなものが確認されたので
焦りました。
当時はグロテスクと思ったので白黒で公開してました。
受精直後からの変化を含んだ全編はGIFアニメのままでは重いので
(↓)動画で公開中です。
E02 ヒレが出たよ
この頃になると頭の部分が徐々に膨らんできてマッチ棒のような形になります。
5月12日
孵化から5日目になりました。
肉眼では気づきませんでしたが写真を見ると
早くも胸鰭が出てきています。
これまでは直線的にしか進めませんでしたが、ターンを手に入れたわけです。
今後は捕まえるのが大変になるという事ですw
また浮袋も完成しているようです。
どの稚魚も好きな位置で停止できるようになっていました。
数日前までは泳いでいないと沈んでいく状態でした。
上の写真で言えば一番最初の写真で頭の次に小さく膨れている部分
ここが体になりますが、この中に気泡(浮袋)ができています。
これら3枚の写真の稚魚は別の個体なので成長レベルに差がありますが、どのタンクも概ね順調です。
金魚部の後半から始めた区別ですが
バクテリアを意識する場合は水換え
バクテリアを気にしない場合は水替え
と書くようにしています。
日本語としてはどちらでも良いという事なので、僕のブログでは独自に使い分ける事にしました。
続きはこちらです
はじめまして
再開 お待ちしておりました!
お休み中も 過去記事に たくさん助けていただいてました。
黒オランダ 大好きです!
キレイなお写真も 詳細な記事も楽しみにしております。
pisces*bさん はじめまして。
コメントありがとうございます。
黒オランダいいですよね。
独特の時間軸の中を生きているようなゆったり感と溢れ出す愛嬌がたまりませんよね。
この稚魚たちの中からすんごい顔デカ金魚が出るか・・・出ないか・・・
分かりませんが、黒オランダ軍団の誕生にワクワクしています。
金魚部さん、こんにちは
私も現在稚魚を育ててるので
何回もじっくりと読ませていただいてます
稚魚飼育の水換えの大変さを知ってたので
もう育てるのは大変だからやめておこうと
卵のうちに処分し続けてますが
今回は水草を捨てるのが勿体ないので
見える卵を取って水草をバケツの中に入れておいたら
バケツの中でワラワラと泳いでました
いつ孵化したのか?孵化後何日か?わかりませんが
産卵日から3週間近くたってから発見したんです
出窓にバケツを置いてるので
たまたま季節的にも丁度良く
たくさん水草が入ってた事もあり
結果的に青水飼育に近い状態だったから
みんな元気に泳いでたんだろうな~と思ってたんです
青水飼育はした事がなく自信がないので
現在は真水でやってます
水量を多めにし週2回の水換えでやってきましたが
それはそれはもう大変で
慎重に・・丁寧に・・・肩が凝るし目はショボショボするし
水換え終了後にはクタクタでした
やっと今週から
ブクブクの1番小さいのを使い始めました
なるべくブクブクを弱くして
みんなが流されないように調整してましたが
1度ブクブクの中に稚魚が入ってたので
入らないようにネットをかぶせて対応
最近ようやく落ち着いてきました
ご飯はブラインシュリンプをあげてるので
頑張って沸かしてます
金魚部さんは暇な時にそ~っと観察するだけの
優雅な生活を過ごしてらっしゃるなんて~(^-^)
以前から金魚部さんの記事を読ませてもらって
青水飼育に挑戦しようかな~?と何回も思ってきましたが
なんだか難しそうで・・
今回の記事を読んでまた、挑戦しようかな?って
思うようになりました
ベランダで青水を作りながら
金魚部さんの記事でおさらいをして
青水について勉強しようと思います
ヨウヨウさん こんばんは。
コメントありがとうございます。
青水はそんなに難しくはないですよ。
メリットも多いですし何よりも金魚とのマッチングがすごくいいです。
金魚部の青水の記事は情報が古いのでそろそろ書き直そうと思いますが、
その前にディスクの記事を出します。
ラクラク稚魚飼育はいいですよ。
特に初心者向きに考えたので活餌やプランクトンを中心に自然な環境の中、
水を汚すことも少なく稚魚飼育に慣れない飼育者が起こしやすいミスの多くを予防できます。
赤虫を与えられるところまで勝手に育ちますので、その後の対応は普通の飼育と変わりません。
このような点から
「稚魚は育てたいけど日中は会社に居るので世話できない」という方等におすすめです。
エアレーションは孵化の前から入れても大丈夫ですよ。
※ろ過装置はある程度になるまでやめたほうが良いですけど。
狭い容器だと溺れると思いますが、浅くて横に長いようなコンテナやタライであれば水流のある部分と無い部分が出来るので稚魚は上手く住処を選んで暮らしていけます。
もちろん十分に弱めにしておく必要はあります。
ラクラク稚魚飼育やジャングルタンクの場合の話ですが、
エアレーションは水面の油膜やアオミドロの爆増を予防してくれますので、時に稚魚の命を守ってくれます。
無しでも酸素は十分に足りると思いますが、入れておくほうが放置できるので安心です。
機会があれば是非実施してみてください。
一度経験すればブライン飼育には戻れなくなります。