金魚は春先の未だ肌寒い時期に産卵しますのでブラインを沸かして育てている方などは大変でしょう。
僕のように別の方法で飼育している場合でも寒い時期の稚魚飼育は温度管理が難しく大変ですし、
孵化までの期間も長くなりがちです。
ウチで産まれた黒オランダは秋に産まれたのですが、
あの時に色々な事がとても楽に思えたので春先の寒い時期ではなく
暖かい時期に産卵して欲しいなぁとか思ったりしていましたが、
実は
← 経験者
← 被験者第一号
← 5月産卵@関西成功者
地域によっては産卵シーズンは終了しているかもしれませんが
例えば、関西でも今くらいの時期なら
少しの変化を与えるだで未だ産卵させられる事が分かりました。
※真夏になると難しいかもしれません。
まずその前に
このような条件の場合は多分うまくいきます。
関西では日中は春らしい陽気で暖かいというよりも暑いと感じる日も増えてきたこの時期ですが、
まだ夜間は少し肌寒いか十分に涼しい毎日です。
このようなタイミングであれば出来る方法ですが、
ずばり
最低水温を更に下げる
だけです。
夜間に過去1週間ほどの最低水温の平均値から更に5℃~8℃くらい落とせばOKです。
(その日の最高水温から言えば8℃~12℃くらい下でしょうか。)
それだけの温度差が部屋の中で難しい場合は容器ごと外にセットして
20℃前後なら15℃まで、
25℃前後なら18℃まで
下がればスイッチが入ると思います。
金魚を入れてぶっつけ本番する前に同じ大きさの容器に水を入れて予定の場所(外)に
一晩放置してどれくらい水温が下がるかデジタル温度計で確認してから実施してください。
普段は殆ど温度変化を与えてない飼育をされている場合は特に、
あまりに大きく下がるようなら水深を深くする(=水を増やす)必要があります。
それだけ注意すればスイッチを入れる作業はOKです。
これに関しては(産卵なので)大潮の日を選んだほうが良いと思っていましたが、
実験では大潮とか全く関係なく、真裏の小潮でも産卵させることが出来ました。
ちなみに僕は外に出さずに夜間、金魚部屋の窓を開けたまま寝ました。
未だ肌寒い時期だと金魚よりも人間が大変な目に遭いますが、
まずはこの方法で温度を下げてみてどうなるか見てから
温度変化が足りないようなら外に出そうと思って実施してみたのですが、
見事に窓を開けるだけで成功し、朝には追尾が始まりました。
その時の水温の変化が以下のグラフです。
<縦軸>水温 [℃]
<横軸>時間 [30分毎に計測]なので青い棒1本1本が30分間隔のデータ
窓を開けて寝た日(5月2日夜)は体感では雪山で寝ているほど寒いと思いましたが、
こうして水温を見る限りでは前日と比べてこの程度しか差が無いのに驚きました。
計測したのは水温で室温はもっと下がっていたと思いますが、
それにしても
体が暖かい温度に慣れてきたので少し下がっただけで寒く感じたのか、
もしくは僕がおじいさん化して来ているだけかもしれませんが
すごく寒かったです。
このように今回の実験では水深20㎝くらいで夜の間にここ最近の最低水温よりも更に5℃下がりました。
最高水温からは8℃くらい下がったことになります。(グラフ参照)
※温度変化はこの場合、水量ではなく水深で決まります。
あまりにも小さすぎる容器の場合は水量も影響しますが、
ここでは20L以上(40から60L)を想定しています。
実験したのは黒オランダのペアでしたが、
次の日に隣のプラ舟60L(同じく水深20㎝)の青文魚たちもざわつき始めてしまい
「え?こいつメスだったのかぁ」な1匹が少しだけ卵を出していました。
温度スイッチ恐るべしです。
以上、水温を下げて産卵行動を促すの巻 改め 「産卵やる気スイッチを押してみた」のコーナーでした。
この方法、
関西の方なら今
関東以北ならもう少し先まで可能かと思います。
ちなみにこの原理を応用して
秋はこの逆に、日中ヒーターで加温する方法で同じく温度差を作って産卵させられると思いますが、
こちらは試しておりません。
ちなみに今日のぞいてみたら何匹かがピコピコ泳いでいました。
暖かいと孵化するのも早いですね。
下の写真に写っているかは分かりませんがこの水槽の中に居ます。
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