新しい金魚を死なせない為にやっている事

僕は金魚をウチに迎えると3か月は保護観察期間と称して他の金魚とは合流させずに新入りだけでリラックスできる環境にして慣れさせることにしていますが、そのメリット&やり方を詳しくご紹介します。

余談ですが挿絵のセリフに関して・・・保護観察を直訳するとprotective observationになりますが、それでは僕が実施している保護観察と大きく意味が違うので最も意味が近いprotective custodyにしています。

保護観察期間を設けるメリット

トリートメントが不要になる

この間他の金魚との交流をさせない為、病気や寄生虫の持ち込みにより他の金魚に被害が拡大する事もありませんし、仮に何かあればその段階で塩水浴を行えばよいので無駄に金魚に負担をかけたくないという事もあり
トリートメントは全面的に廃止 する事にしました。 

トリートメント廃止のもう1つの理由は初心者が金魚を飼い始める際に最も怖い瞬間は水質を切り替えた直後だと思うので、水質が大きく切り替わる機会を1度でも減らせればより安全に導入が完了すると考えた事です。

結果的に金魚も慣れない新しい環境に連れてこられて必死に適応しようとしているであろうタイミングで1回だけ水が切り替わるのを経験するだけで、その後は3か月間を環境に適応するまでの期間として特別に水質の変化を与えないように配慮して育てますので元気なまま無事に3か月を満了できています。

既存の金魚によるイジメの防止

新しい環境に適応していない金魚は既に適応している金魚とのコンディションの差が大きく餌の時間を中心に威嚇されたりイジメられたりしやすくなります。 それを防止するためにザルで隔離したりしていたこともありましたが、それはそれで狭い中に入れられるというストレスになるので現在では完全に水槽を別にするようになりました。 これにより新入り達はのびのびと自分たちだけで過ごせます。

死亡率や病気の発生率を下げる

また古株にイジメられるとストレスで弱ってしまったり、白点病や尾ぐされ病のような抵抗力が低下した時に起きやすい病気になりやすくなります。 ですので完全に新し環境に慣れるまでは古株たちとは別にして飼育するほうが理にかなうと言えます。 これにより新しい金魚達は新しいものだけで環境に適応するまでの時間を過ごすので過度にストレスを受ける事も無く抵抗力も維持できるので問題が出にくくなります。 勿論、温度管理、水換え、餌やりも適切でないと病気の予防は難しいので他の事も適切に対応する必要があります。

保護観察期間を設けるデメリット

設備と場所が必要

水槽、ろ過装置、エアレーションが1つ余分に必要となる事や、それを設置する場所が必要になる事が最も大きなデメリットではないかと思います。限られた場所や予算で金魚飼育を楽しみたいという方々には向かない方法です。

3か月間我慢が必要

場所や水槽がある場合は問題ないですが、水槽が無いからバケツで飼育する場合や場所がないから部屋の奥に臨時で設置して普段見る事が出来ない場合など、せっかく購入した金魚の可愛い泳ぎを好きな時に好きなだけ楽しむことが出来ません。
何年も飼育していると「目が出たら嫌なので最初はコンテナで飼育」とか「この金魚はここで3か月隔離して、その間はこっちの金魚を楽しもう」とか色々できると思いますが、最初は好奇心とか金魚熱とかフィーバーフィーバーなので我慢できない方も多いと思います。
勿論、観察できるメインステージと予備の水槽があれば何の問題もなく3か月間隔離しながらも金魚飼育を楽しむことも出来るのですが、自室で飼育されている方などは制約も多いので悩みどころかもしれません。

単に分けるだけならセパレーターという仕切り板も販売されていますし、水草を多めに入れてやるか隠れやすい土管などのアクセサリーを入れてやるとイジメを避けられることもあります。 僕は別の水槽で育てる事を推奨していますが、制約がある方はそれに応じて別の方法を模索してみてください。

大切なのは3か月後も半年後も1年後も、金魚が元気に泳いでいる事ですので、その実現に必要な事を出来る限りしてあげてください。
ここに書いているのはその一例として僕自身の試行錯誤の結果なので、皆様の環境や制約に応じて工夫していただければ全く同じ方法でなくても何とかなると思います。

保護観察期間に行う事

この3か月間は特別な対応を行いますが、以下にその内容を列記しますと

既存の金魚と合流しない

既に何度も出てきていますが、新入りと古株を分けるメリットは多くあるのでこの点を重視して完全に分けます。

餌は控えめに与える

体調がすぐれない中、食べ物を沢山食べると人間でもお腹が痛くなると思いますが、金魚の場合はその消化機能の特殊性から病気になったり転覆したりします。 金魚は一定量以上の餌をお腹に入れてしまうと処理できずにガスが溜まったり最悪のケース処理が停止します。ベルトコンベアの上に製品が流れてくる工場と同じで適量だと流れるように処理されますが1か所に大量に集まるとそこが処理不能になり全体が止まります。

コンディションが整わない時はこの処理能力が全体的に低くなるので普段の餌の量でも問題化しやすいです。 

見た目が元気だから大丈夫だろう・・・
今日は天気がいいから(温度が高いから)少し多めにあげよう。

とかのように油断すると次の日に底に沈んで動かない金魚を目撃する事になります。(←経験談)

環境に慣れさせながら餌を調整する必要がありますが、具体的には、最初は試食程度のごく少量を与えて次の日の糞を見て問題が無ければ続ける、問題があれば餌を控える等の対応が必要です。
良く分からない場合は、通常与える量の1割か2割にまで減らして与えれば餓死もしませんし問題も出ません。そこから様子を見ながら調整すればよいと思います。 それ以上与えたい場合は、上記のように糞を観察しながら判断してください。 逆に、最初から大量に餌を与えて問題化させてしまうと環境に慣れている金魚よりも治療が大変なので最悪死なせることもあります。 それを思えば最初は少ない餌で管理して慣れさせるほうが安心だと考えています。 飼い始めの方には難しいですが水槽の壁ギリギリで魅惑のダンシングで餌を要求されても金魚の誘惑に負けないでください。

水は一度に大量に換えない

最も注意が必要なのは水換えです。
これは別の記事で詳しくそのメカニズムを書こうと思いますが、簡単に言えば急変に対応できるか?できないか?が生死を分かつ事もあるので良く分からない場合や少しでも不安を感じる場合は一度に半分以上換えるような事は避けて、2割、3割程度を数日おきくらいに換える方法が安全です。 これが危険か安全か判断する方法やその項目は別の記事で書きますので割愛します。分からない時は2割3割で様子を見ながら対応するとお考え下さい。
普段は上記のような考えで良いと思いますが、更に厳しく考えるなら水質検査で中毒症状や酸欠に関係するパラメータが異常値の時は1時間に10%以下の変化に抑えながらパラメータが正常になるまで水を換えなくてはいけない場合もあります。
これらを知らないと

水を換えたら急に底で動かなくなって数日後に死亡した。

みたいな事がおきます。
環境や僕たちの世話の仕方(癖)に慣れた金魚は大丈夫な事でも、まだ慣れていない金魚は少し気をつけてやらないとコンディションが急変する事があります。
稚魚飼育同様、新規導入魚も慣れてしまえば非常に強い魚となりますが、慣れる前は非常に弱いので初期の段階だけは注意が必要ですので、今現在飼育中の他の金魚が大丈夫だから・・・という判断で同じように扱うのは避けるほうが賢明です。

水質検査を細かく行う

毎日確認する必要はありませんが、アンモニアや亜硝酸塩の値はゼロ以外になるとこの時期の金魚には問題が出やすいので時々確認して問題があれば餌を控えるとか水換えの頻度を上げるとか、水槽の水量自体をより大きなものにするとか対策を講じる必要があります。 またpHは7前後で安定しているのが最も安心ですが皆様のお住いの地域や飼育環境によっては少し酸性やアルカリ性に傾いて安定するケースもあると思います。その場合はその位置で確実に安定していれば何の問題もありませんので、pHに関しては数値がある程度安定していて1週間や1か月という短期間での変移が大きくないという状態が維持できてるかお確かめください。 必ずしも7.0が良いという訳ではありません。 また多少変動しても金魚は耐えますのでpH以外のパラメータが安定していれば変動もやむなしですが、他のパラメータが変動する中pHが変動すると耐えきれずに体調を崩す金魚が出ます。

可能な限り糞を回収して量や質を確認する

餌の与え過ぎや水質の異常があると金魚の泳ぎ方などに異変が起きますが、正直分かりにくいです。 問題が出てから後で考えると異常遊泳していたなぁと分かるもののその時は「今日は元気だなぁ」くらいに思ってしまう事が多くありました。 いろいろ考えた結果誰でも簡単に問題を見つけられるのは糞を観察する事だと思うようになり長年金魚の糞の写真を大量に撮りためてきました。 問題が出る度にそれを見返すと調子を崩した金魚は変な色の糞を出したり、極度に太さが異なる糞を出したり、糞が出なくなったりしているので最近は新規導入魚の健康判断は 良く泳ぎ・良く食べ・良く糞をする を見るだけではなく 最後の 良く糞をする の糞そのものを確認するようになりました。 最初は良く分からないかもしれませんが糞を集めて撮影していくと個体ごとの傾向があるのでそのリズムが崩れていない事を確認していれば良いという事です。 まずは毎朝、餌の前にスポイトで集めて撮影してみてください。

その他

細かな事は未だありますが、重要なのは上記のように環境を良いレベルで維持できるように整えてやる事とパラメータが適正から外れる前に小さな変化から問題を予見して問題を除去したり補正したりすることです。

環境に適応して”ウチの子”になれば金魚は非常に強い魚なので、多少の水質悪化も耐え抜いてくれるようになります。 その一方で、環境に適応する前は非常に弱いところがあり、水を換えた次の日から急変して死亡することもあるので、そうした問題を最小限にして全員が無事最初の3か月を乗り切れるようにと考えてこのような対応をするようになりました。

「そこまでしなくても・・・」と思われる方々も多いと思います。
僕は特にポンコツ飼い主で良く油断してしまいますので、自分のミスで金魚を死なせないように色々考えた結果、このようにしています。
飼育に隙が無い方、几帳面で毎日小まめに世話が出来る方であれば、上記の多くは全く気にしなくても全体管理がきちんと出来ているので問題が出ないという事もあると思います。 ここに書いているのは僕と同じような不注意で飼育が隙だらけの飼い主さんが少しでも問題を回避できるようにという内容ですので、問題が出ている方や今後問題が出た時に、その問題を除去するヒントになれば幸いです。

何故3か月も行うのか

病気や寄生虫を持ち込んでいないかの判断は数カ月以上かかるケースもあると言われますが、ここまでの経験では寄生虫は2週間以内に目で見て分かる程の猛威を振るう事が多かったですし、感染症は持ち込んだのか、来てからウチの環境で感染したか分かりませんが直ぐに出る事もあれば数か月後に出る事もあるので完全にクリアーすることはできません。トリートメントしてても出る時は出ます。 

また未だ記事にしてませんがお店の環境で既に中毒化している金魚を見た目が元気だから気が付かずに購入した場合、2週間前後で死んでしまうという事もありました。 つまり、問題を持ち込んでいた場合は2週間程度、長くとも1か月あれば判明するとして、あと2か月延長しているのは何故か?ですが、これは基本的に新入りの金魚をウチの環境に慣れきっている古株と同等に扱えるという判断が出来る期間としてここまで延長しています。
1か月程度では長年ウチに住んでいる金魚達と同じコンディションとは言えないほど未だ不安定さが残るのでせめてあと1か月、更に安全の為もう1か月追加しての計3か月に決めました。

更に言えば 3か月という期間が金魚飼育で重要となる事が多く
◆稚魚飼育の重要期間 生後3か月
◆転覆病など内臓の問題の完治までの期間 3か月
◆金魚に問題が出た場合の原因を探るのに 過去3か月の飼育が影響する
など3か月という期間が良く出てくるので 
同じにしておけば覚えやすいだろうというのもあります。

期間の設定はそんな感じの理由ですので
どうしても3か月が長すぎるという方は
せめて1カ月でも完全に隔離して飼育していただければ
多くの危険や問題は回避できると思います。

4件のコメント

  1. kingyobu-san

    金魚の絵が可愛く♪思わずコメントさせて頂きます~。

    まだトリートメントを知らなかった時代、最初に塩水浴を施さなかった金魚ほど問題なく元気に過ごしてますね。だんだん金魚を学び始めて、元気そうな個体にもとりあえず塩水浴!を始めたら、逆に調子を崩して薬浴までする羽目になったり。ネット購入などで緊張感を持って運ばれてきた金魚を塩水温泉に入れるのは、人間がホッとした途端に風邪をひくのに似てるなと思いました。

    ホームセンターで購入し金魚鉢で育った小赤二匹が残した子供が満五歳の老魚?になりつつ、オランダ型の金魚を飼い始めたら、フナ尾の和金がいかに丈夫かを実感したりで、、幼少時から悩みもしなかった水替えやエサやりに今さら日々奮闘してます。無知ってすごいなと思いました(苦笑)。

    これからも素敵な写真、絵、興味深い記事、楽しみにしております

    • dalahastさん こんばんは。
      コメントありがとうございます。


      金魚の絵を気に入っていただきありがとうございます。
      赤いほうが大人なのでより複雑な表情になるよう曲線を多用して、オレンジは子供なので単純な丸とか三角の組み合わせにしてます。
      全てバラバラの部品で作っていますので部品の位置を変えるとポーズとか表情も自由自在なので今後も時々登場します。

      僕も昔は居酒屋で「とりあえず生中!」みたいに
      金魚を買ったら「とりあえずトリートメント」してました。
      何の疑いもなく。
      確かに無知って怖いですね。
      かえって危険にすることを何度も何度も一生懸命繰り返してたんですから。
      とは言え、金魚飼育はまだまだ分からない事が多いですし
      思った以上に1つの事を学ぶのに時間がかかりますので
      この先も色々と出てくるだろうと思うと怖いです。

  2. kingyobuさん

    親子金魚 lovely!!! 嬉しいですね~~♪もうfanになってしまったヽ(^。^)ノ

    とても綿密に飼育研究されているようにお見受けしますが、金魚とは未知数なのですね。

    彼らのエサに対する執着のせいか、一見元気に見えてしまい不調を見逃すことも多々、
    慌てて良かれと思ってあれこれしてはいけないと、つくづく感じております。
    一概に言えないことも多いと思い、色々経験してはノウハウを徐々にでも蓄積できればと。。

    こちら、消化能力がイマイチながら塩水浴にも何度もお世話になって生還してきた子が
    そろそろ終焉のようで( ;∀;) 法事で出掛けてしまうのが心苦しいです。
    「金魚が心配なんで」と親族に言って帰りたいくらいですが、勇気なし。。

    金魚部さんの絵に癒されながら、めげずに飼育していきたいと思います!

    • dalahastさん こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      >綿密に飼育研究
      いいえ、トライアル アンド エラーの繰り返し(無限ループ)ですよ。
      もう死なせない為に必死です。
      徐々に色々分かるようになりマシにはなってきているものの
      長期的に問題なく維持するのが非常に難しいです。

      結局自分で経験して1つ1つ積み上げていくしかないですよね。
      もっと金魚が弱い魚で1つでも間違えればすぐに死ぬとかならここまで難しくないと思うのですが、
      下手に強いというか僕達飼い主の間違いを根性で乗り越えてくれることが多いので
      飼い主は中々間違いに気づく事が出来なかったり、
      「これまでこの方法で行けたから大丈夫」みたいに勘違いをしてしまうので
      正解にたどり着くまで迷路を一周するような経験を要しますよね。

      几帳面で同じことを毎日確実に処理出来る人達からすると「何がそんなに難しいの?」と言われたりするんですが、そこは情熱と根性で乗り越えたいと思います。あと金魚愛と・・・
      お互い頑張って金魚を長生きさせましょう。

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