E09 安定期に突入・・・
2か月の違いで出る大きな違い
いつもは3月スタートですが、今年は5月スタート・・・
条件が1つ変わるとその影響が随所に出るのが金魚飼育です。
パズルを解くように仮説を立てては検証し、間違っていれば再検討したり、例外が出ればその理由を探ることで1つ1つ分かってくるという面白さがあります。
そんな中、5月スタートのラクラク稚魚飼育で3月スタートの場合には経験しなかった
メリット・デメリットが色々と出てきました。
メリットの1つとしては温度が十分に高くなってからのスタートだけに自家産のアカムシやボウフラが次々に産まれて大きくなるので天然餌には困らなくなりました。
ミジンコは相かわらず増えませんが絶滅もせず常に少し居るという状態です。
ボウフラとアカムシは今がまさにシーズンなので屋外に設置しているコンテナに次々にワラワラとわいてきます。
3月スタートだと1回育てたボウフラは大切に大切に使わないと次は何時お目にかかれるか分かりませんので、大きくなったものだけをスポイトで採って与え、小さいものはキャッチ&リリースの精神で元に戻して大きくしてから与えるという状態で与えてましたが、今は次々に増えてくるので ミニボウフラもリリースせずに ミニ稚魚に与えています。
さてデメリットですが2か月遅れでスタートしたので
現在既に水温がかなり高い事で色々と起きています。
この時期になるとラクラク稚魚飼育以外の方法では次々に稚魚が死ぬという事件が起きます。
ラクラク稚魚飼育なら、ご紹介している通りに実施していただくと、とにかく死にません。
まあ、当たり前と言うか、そうなるように細かな部分まで改良してきました。
でも条件を1つ変えると他の稚魚飼育同様に死にます。
例えば
(メダカくらいのサイズで固定しているなら話は別ですが、これからの時期)
特に外ではこれが無いと維持できないタイミングが来ます。
つまり、死にます。
これからの時期稚魚の死亡原因として
が頻発する訳ですが、これを起こさないように細かな事まで設定して組み上げているのがラクラク稚魚飼育なのです。
ただし、僕の環境でも条件を守らずに飼育しているコンテナがあります。
屋外コンテナです。
白いコンテナを使っていても30℃を超える日が出てきました。
こうなると単純に水温が上がり過ぎる事で起きる(溶存酸素不足の)酸欠をケアしなくてはいけません。
特に僕が推奨している5Lコンテナは水量が少ないので注意が必要です。
ラクラク稚魚飼育の飼育可能数は例年の1Lに付き1匹以下と言う基準から現在は更に安全な基準に変更していますが、仮にこれで酸欠はクリアできても、濾過が無いと中毒の問題はクリアできないので死にます。 特に屋外飼育の場合や直射日光が長時間当たる場所はpHの値が跳ね上がるので室内なら多少ゆるい管理でも大丈夫なアンモニアも屋外では猛毒と考えなくてはいけない事になります。
つまり春先なら温度も低く良好ですし、稚魚が小さい間は人工餌も冷凍アカムシも与えない放置なので外でも死にませんが、この時期は室内よりも温度条件が過酷になり、そこに水質や酸素の問題が加わると更に条件が悪くなります。
なので、チキンな飼い主の僕は金魚の安全を考えてそろそろ室内に移動すべきか悩んでいます。
このままでは無駄に死なせることになるでしょうから何とかして外部コンセントが無いこの状況で屋外にも濾過を設置するか?例年通りそろそろ撤去するか?悩み中です。
室内は現在稚魚勢力の拡大に伴い2部屋の窓際全て木苺共和国の領土になっているので、このままでは領土問題になりかねません。先住民族である観葉植物のユッカさんやコンシンネさんも窓際から明るい日陰へと引っ越ししてもらい、園芸用にDIYした専用台も今や稚魚たちのコンテナに占領されています。
6月26日
孵化から50日間経過
オランダの本気モードが見たい
さて、前置きが長くなりましたが稚魚たちは順調です。
現時点では瘤が出ていないので魚屋さんに並んでいる魚と何ら変わりないですが、オランダはここからが本気モードというか、僕たち哺乳類が持つ「赤ちゃんの時だけ顔が大きくてかわいい」という特徴をを超越し、逆に成長するにつれて顔が大きくなり更に可愛いさを増すという必殺技を出してきます。 その変貌ぶりは先日のkinchanの記事でご紹介しましたが、さて今回の稚魚たちの中からkinchan超えが出るのか出ないのか?ワクワクします。
▲ ちょっとデフォルメしすぎたかもしれませんが説明用に簡単なラインダイアグラムを作りました。
赤系ライン部分が普通の金魚(例えばリュウキン)だとするとオランダは青系ラインで示すように顔が大きくなります。
実際には(リュウキンよりは大きな顔になりますが)大きさの大部分は顔の上に瘤が付く事で大きく見えるだけですので面を被っているような状態になります。
僕はこの点においてオランダやランチュウが好きです。
ただし美しいバランスというのがあるのであまり瘤やフンタンが出すぎるとバランスが崩れて悪役顔になるので程よいところで止まってほしいとも思います。
ちなみに現在の稚魚は瘤が無いので赤系ラインが示す形です。これから青系ラインのように顔がデカくなってほしいと思っています。
あと1か月でどこまで行けるか分かりませんが、楽しみです。
誕生!KOIDE FAMILY
▲ これが度々登場する肛門から何かが少し飛び出している稚魚です。
毎回「肛門から・・・」と書くのも面倒ですので名前を付けます。
少し出ているので 「小出(こいで)さん」にします。<全国の小出さん、ごめんなさい。>
小出さん一家(4匹家族)は現在60㎝水槽にお住いなのですが、立地条件がとてもよくてしかも壁面がガラス張りの素敵なお宅なので度々取材させていただいてきたので小出さん一家のお写真とビデオが他よりも多くなりがちです。 形で言えば他にもっとバランスが良い稚魚が居ますが、そちらは側面が白いコンテナにお住いなので撮影はどうしても上空からが主になりあまり使えないので、今回は小出さんを中心にお送りします。
▲ 航空機のような造形がたまりません。
ちなみに航空機だと思えば肛門から出ているアレもジェットエンジンのノズルみたいなものですし、この写真はアフターバーナー中だと思うと格好良くも思えてくるので不思議です。
もう慣れましたが、大きな金魚と違ってとにかくすばしっこいので戦闘機のように水中を動き回り撮影するのが大変です。
カシラ:ボディ
上から撮影して簡易確認した結果
僕が重視している上見でのカシラ:ボディ比率は全員が
1:1.5以下を維持できています。(1:2以上に開いたものは出ませんでした!!!喜)
ただし横から見るとボディの面積が大きいので1:2のように見える個体がちらほらいます。
過去に居たビューラーちゃんやタンジェリン君のような
1:1が理想ですがそこまで丸くすると秋に転覆しまくるのでこのままでいきたいです。
この点に関しては小さな目標として、まずは転覆させずに2歳魚になるように頑張りたいです。
親が2匹ともボディ長めなので長細い稚魚だらけになる事を警戒してましたがいつも通りの体形が多いので、この辺は育て方(餌の与え方と水質管理の方法)である程度調整できると分かりました。
これまではリュウキンの丸いボディの遺伝子の影響かも?という可能性もあったのですが、今回の親2匹からでも問題なく丸手が出せると分かり安心しました。
母親の顔つき(目が少し出ている事)やメラニンが少ない事は遺伝してしまうかもしれませんが、顔がデカくてボディが丸手になればあとの事は許容できます。
7月6日
孵化から60日間経過
21匹は多すぎました
久しぶりの稚魚飼育に21匹はやはり多かったです。
1匹なら場当たり的に餌を調達したり必要な環境を整えられましたが x21倍となると簡単ではありません。
改良に改良を重ねてきた結果
カシラ:ボディ比は皆満足できるレベルとなりましたが
横幅(太り具合)では
現時点で理想的な体形なのは5匹、準理想的体形が5匹・・・でしょうか。
これまでなら必要に応じて残りの仔も丸くなるように餌の量や与える時間を調整しましたが、今回は早々にホームセンターか金魚屋さんに引き取って頂こうと思っているので長いほうが転覆もしにくいし長生きするだろうからお店行きのチームは無理に太らせず、普通の餌を食べられる口の大きさまで大きくするだけにしようと思います。
モブショット
▲ 7月6日の小出さんのモブショットです。
モブショット撮影はどの金魚も嫌がるし繰り返すと2年後も3年後も嫌われたままになるので、今年は殆ど行っていません。
小出さんもこれが初のモブショット撮影です。
尾は少しつまんだ感じですが僕は気にしません。
泳いでいる時に躍動感が出る尾のほうが好ましいので、一般的に言われている逆のほうが有難いです。
腹は少し太り過ぎですが60㎝水槽に居る4匹の中でダントツに餌食いが良くて、餌を与えなくても苔を1日中食べているのでこうなりました。
未だ稚魚なのでこの程度なら自分で調整できると思います。
写真のグレーの正方形は1つ5㎜相当ですので、現在体は3㎝を少し超えたくらいです。
60㎝水槽と言えども4匹入れているとこれが限界かと思います。
鱗に関しては5月産卵なので初期の成長が早く、鱗が巻くまでにしっかりと太らせましたが、例年と変わらない大きさになってしまいました。 ここはブリーダーさんのように綺麗に細かな鱗をつけられませんでしたが、今後も機会があれば条件をかえて細かな鱗を付ける方法を模索したいです。ブリーディングに関する事はネットに書かないように言われていますので方法は書けませんが、思いついた事を気長に1つ1つ試しています。
最後に僕にとって最重要な顔(カシラ)ですが、頭のてっぺんの瘤が出ていない事以外は全て順調です。
やはりリュウキンとは違ってオランダは肉付きがいいです。
エラ蓋の肉が最も早く付きましたが、こんなにもしっかり肉がのるんですね。驚きです。
これだけ分厚くなればエラまくれも出ないです。
フンタンは殆ど出てないので上見では先が尖って見えますが、これはあと1カ月もすれば横に広がると思うので頭頂部の瘤さえ出てくれれば枕を高くして寝られます。(でも枕は低いのが好みです。)
▲ 拡大しても出てないものは出てないですねw
つづきはこちらから
金魚部さん、こんばんは。
うちはエアコンのドレンホースを出す壁の穴から
エアポンプのチューブをベランダに出してます。
隙間から室内に虫が入ってこないようにタオルを詰めて。
金魚部さんちはドレンホース用の穴、余ってませんか?
エアコンの後ろからドレンホースを出してるならダメですけど…。
マリリンさん こんばんは。
コメントありがとうございます。
金魚部屋がリビングなのでエアコンが付いているので配管用の穴は使えないんです。
現在僕の選択肢は
◆窓を少し開けた状態でロックできる器具を使用する
◆窓を閉めても通電する特別な延長コードを使う
◆大きな稚魚を金魚屋さんに引き取ってもらいスペースを作る
などですが、それぞれに問題もあり稚魚を引き取ってもらう方向で検討するのが最も現実的かな?と思ってます。
稚魚が十分に大きくなっていれば引き取ってもらうのですが、まだ少し小さいのでもう少し時間が必要なんですが、その間にもどんどん気温が上がってきているので少し焦ってきています。
最悪の場合、部屋の奥に避難させます。
ご心配頂きありがとうございます。
そのお礼という訳ではありませんが、エアコンの配管部分はタオルではなくダクト隙間用粘土を使う事をお勧めします。
※乾燥しない特殊粘土で難燃性(燃えにくい)材料が使われています。
タオルよりも確実に虫の侵入を防げますし、万が一の近隣の火事の時も安心です。
ホームセンターに行けばエアコンのダクトや配管カバーを売っている場所に専用の粘土が売っていると思います。
値段は100円前後です。通常はお風呂の石鹸1個分くらいの小さなパッケージが多いです。
僕たちは現場で「粘土」って呼んでますが「パテ」と呼ぶ人も居ます。
お返事ありがとうございます。
うちは配管の穴が壁の左右にあるので、
使ってない穴を利用してます。
でも時々ベランダで足を引っかけて、
金魚に「なにすんねん!」って睨まれますw
「パテ」…以前やってみたのですが、
もうびっくりするほどヘタくそで、
電気屋さんを尊敬しました(汗)
でも、もっかい挑戦してみます。
ありがとうございます。
特別な延長コード、売ってますね。
けっこうお高いので諦めました。
金魚散財…w
真夏になるとコンクリートのベランダの気温は40℃を超えます。
フェンスにすだれを掛けて直射を避けても
60リットルコンテナで水温は33℃前後になります。
バケツだとお湯です。
木苺共和国に領土・難民問題?
悩ましいですね。お察ししますw
マリリンさん おはようございます。
コメントありがとうございます。
あのパテ(粘土)は造形用の粘土とは違い非常に硬いのでそのまま詰め込むと上手くいきません。
ヘビとかロープのように細長く伸ばしてからそれを必要な大きさにちぎって隙間に入れていきます。
木べらなどで怪我しないように切って長細くしたものを使うというのでもOKです。
つまり1つの塊で一気に詰め込むのではなく10、20の小さな破片を次々に押し込んでいく感じです。
そうすると徐々に隙間が埋まっていきます。
ウチは未だ温度計の集計してませんが指を入れたらお湯の日があったので35℃超えてるかもしれません。
園芸用の黒いプランターを触って火傷しそうになったので温度計を確認したら53℃!
金魚なら死んでるだろうなと思いながら見てました。
プランター表面はもっと高温だと思いますが中の土の温度が53℃でした。
冬はいい感じでしたが黒プランター・・・夏は地獄です。
それでも枯れないレモンの木、凄いです。
ここまで高温なら害虫の卵とか全滅しそうなので放置してますが、そろそろこちらも夏対策しないと苗が弱るかなと思っています。
話を金魚に戻して、
僕のコンテナは水深が10㎝程度なので完全に日陰にでもしない限り日よけも効果ない為、金魚の避難用にホテイソウを入れています。
ホテイソウは根を見ていただくと分かると思いますが物凄い断熱効果を持ちます。
自然界のデザインってすごいなぁと思うのですがあのような形をしているので水の流入が起きにくくホテイソウの根本だけ水温が低く維持されます。
だから金魚の緊急避難用に入れておくと金魚が逃げ込むことが出来ます。
もう少し水量があれば良いのでしょうけどウチは5Lなので命を守る対策は講じてあげないとと思っています。
あとは日光の問題ですが日中の光合成が半端ないので
何週間か前に「ヤバイかも?」と思ってpHを計測したら物凄く濃い紫でしたw
「こら、あかんわ」って声に出てしまうほどの衝撃を受けました。
青水は当然と思いますが、透明飼育水&苔のほうも高pHでした、
こうなるとアンモニアを出したら即アウトだろうと思うので強気に餌を与える事が出来なくて・・・
今やびくびくしながら少しだけ与えています。
室内に比べると経験も知識も少ない為、予測やコントロールできない要素が多いので外は更に大きめの容器でないと難しいかもと思っています。
ただプラ舟ではなくコンテナなら水深があるでしょうから底のほうは温度が低くなるとか、影があればpHの低い部分も出来るとかであれば安心ですね。
いずれにしてもウチの屋外組は謎の多い屋外飼育を学ぶための偵察チームなのでデータを採ったら夏までには撤去するというのが恒例のパターンなので、今年もそろそろ戻そうかなと思います。
泳いでいる姿が太陽光で透けたコンテナに影として落ちて見えるのですが、今のところ3か所とも常に影が動いていて元気そうなので様子を見てますが動きが鈍りだしたら緊急避難させるつもりです。
金魚部さん、こんばんは。
今日は仕事が休みだったのでホームセンターに行って
「配管用パテ」買ってきました! ¥70+税。安っ!
こねて伸ばして使うんですねえ。知らんかった。
上手とは言えませんが、ちゃんとふさがりました!!!
アホ丸出しやんw
金魚部さんにパテの使い方を教わるとは…w
ありがとうございました。
ホテイソウは鉄板ですねw
でも断熱効果がそんなにあるとは知りませんでした。
何年か前にお花屋さんで買ったホテイソウにメダカの卵が付いてきて、
毎年産卵するので増えてきました。
金魚はホテイソウの根をかじりまくってボロボロにしてしまいます。
30リットルの発泡スチロールにメダカを入れて、
ホテイソウやオオサンショウモの療養所にしていますw
水質検査も大事ですね。
「今さら聞けない」の記事がとても参考になりました。
たくさんのアドバイスありがとうございました。
マリリンさん こんばんは。
コメントありがとうございます。
そのパテは長期的に穴を塞いでくれるのでこれで一安心ですね。
ホテイソウってもれなく何か付いてきますよね。
僕も毎回何か付いてきますが
今年はアオウキクサが付いてきました。
2年前だったかデカいスネールが付いてきたこともありました。
ちょっと怖かったですが慣れると可愛いので育ててました。
現在は3世どころか13世くらいかもしれませんが子孫繁栄しています。
年に何回産むのか知りませんが冬でもポコポコ増えます。
来年あたり黒オランダの受精卵が付いてくる事をピンポイントで期待しておこうと思います。バルーンオランダでも可。
水質検査って最初は何をどうするのが正しいか分からず検査してましたが、基本をマスターすると本当に便利ですよね。
水換え時にありがちなミスを予防してくれますし、多少の水質悪化くらいは必死に耐えてしまう金魚の為にも、早め早めに気が付いて環境を改善してあげられればと思います。
長生きしてもらう為にも過度な負担はかけたくないので。